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郵便屋、自動車学校(普通自動二輪)に通う 17~18時間目「最後は大雨」

最後は担当してもらったことのない教官でした。
配車券の名前見て「誰?」ってつぶやきましたよ。

大雨だったのですが、風はないので安定して乗れました。
が、監視されながら検定を意識した走行をしたので、力んじゃって細かいミスをしてしまいましたよ。

エンスト、バランス崩して右足着く、ニュートラルで停車など。
何度も走っているのに一瞬コースがわからなくなるなんてことも(ギリギリで思い出した)。
最後も「みきわめ」という二段階大詰めのテストだったみたいで、できなければ検定に進めなかったのでしょう。合格でしたが、卒業検定に不安が残ります。

初めての教官だったのですが、雰囲気はパワハラ系の人だったんです。
しゃべり方も圧力があって、嫌な感じがしました。「やなやつやなやつ!」と胸中で言っていました。

でも一番初めの教官とは違いコミュニケーションを取ってくれて言葉遣いもしっかりされていたので、話しかけやすそうだと感じたのです。
細かいこと聞いてみよかなと、不安な部分のコツをたずねたんです。

どんな不安かというと、ぼくは小回りが苦手で(毎日バランスの悪いバイクに乗ってあらゆる悪路を走るので小回りでの転倒を恐れることがクセになってる)、左折から入る一本橋に対して車体をまっすぐにできない、というもの。

「いまさらそんなこと言われてもなぁ」なんて言われてしまい、まあ確かに最後の最後で聞くことじゃないと思ったのですが、
しかし、ぼくのためにコースに細工してくれて、丁寧に教えてくださったのです。

この練習が本当にタメになって、そこから綺麗な走行を意識できるようになりました。
圧力のある雰囲気が嫌だったけれど、でも彼はぼくが思う理想の教官像でした。
部屋を出ていくときはしっかりとお礼を述べましたよ。

この日の教習生の中に、マンガみたいに転倒する若い男性の教習生がいたんです。エンストしまくる人と同一人物だったかはわかりませんが。
8の字走行をずっとやっていたのですが、何度も何度も転倒していました。

ぼくは集配で転倒はあるのですが、普通の道での旋回で転んだことはありません。転倒するときは道の悪い場所でのUターン。
泥や砂利など、よく確認してからUターンしないと、痛い目をみます。熟練の班長ですらこのUターンで転ぶのです。

なのでそういうUターンで転倒はわかるのですが、教習所の整備されたアスファルトで転倒はわからない。
なぜそんなことが起きるのか。やはりバランスが取れないからでしょうか。

彼が帰ったあと、二人の教官が話し合っていたのです。
「課題教えるんじゃなくて、やっぱ基礎から丁寧に教えたほうがいいよ」「やる気はすごくあるから大丈夫」「ああいう子は二段階に進めたらそこから一気にうまくなる」
と、これはすべて「理想像教官」が仰っていたことですが。

まったくできない人に教えるとは大変な仕事ですね。
自慢ですがぼくは最初から8割できていたので教官は楽だったはずです。えっへん。

はたして彼は卒業できるのでしょうか。でも、あれ以上に乗れない方を大勢卒業させているのでしょうね。だからこその「ああいう子は二段階に進めたら~」なのだと思います。

教官側は絶対いらついちゃいけないと思うんです。
あるいはそう取られるような態度を取っちゃいけないはず。
できない人をできるようにする仕事なのですし、自信をなくさせるのは間違っている。

最初の教官はそこがちゃんとしていなかった。ただ圧力が強くて馬鹿にするような口調だったんです。
あのとき自信が消え失せた自分をいまでも思い出します。逃げ出したいと思った自分をいまでも思い出します。

ぶっちゃけ彼はコミュ障なのでしょう。
そこに「教官とはこういう態度で臨むべきだ」という意識が加わって、ああなってしまっているのだと思います。

なにはともあれ無事に教習を終えました。
転倒もなく、エンストは7回くらいしましたが、逆にもっとエンストを経験したほうがよかったかも。本番でエンストやらかすかも。

唐突なカミングアウトなのですがぼくは身長低めで体重46キロしかありません。腕力もないです。
でも不自由なく運転できました。大型だって問題なく乗れるはずです。
世の中には身長149センチで大型に乗ってるすごい女性もいます。

乗れないという人は、やはりバランス感覚が問題なのだと思います。
何度も書いているのですがぼくは日々バランスのくそ悪い赤いカブで長時間奴隷活動をしているので、最初から全部できました。

先日はひっさしぶりに信じられない物量で、間違いなく積載オーバーでキャリーボックスにパンパン郵便物積んでましたよ。操縦がまるで利かなくて、ちょっとの坂で停車しようとしたら後ろが重すぎてウィリーしかけました(全力で押さえ込んで難を逃れた)。

バランスのくそ悪い二輪、自転車でもスクーターでも、そういうものに信じられないほどの重り積んで練習すれば、ある程度バランスが身につくのではないでしょうか。
もうやっちゃいけないけど二人乗りがじょうずにできればバランスよく乗れる気がします。

あるいは郵便屋として一年くらい奴隷活動すればどんなにへたな人でも乗れるようになるはず。
ぜひどうでしょう。


残すは卒業検定。

一発合格なるかどうか。
乞うご期待。

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