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過酷な環境ほど花は大きく美しい丨甘味屋餡子

今回の作品の中心はタイトルの通りサッカーである。
出演メンバーには部活でのスポーツ経験者もいるが、サッカーは未経験という人間も多い。
と言うわけで、100均の小さいボールでだが簡単なパス回しを稽古前のアップを兼ねて行った。
小さいボールでのパス回しとは言え、やはり実物を蹴るのは楽しい。

筆者は部活動は文化部のみで部活スポーツの経験は皆無。
しかし、サッカーは小学校の頃近所の男子たちに混ざってやっていた。
サッカーすることは好きだったので正式に続けてもいいかと考えたが、その頃はまだJリーグも出来る前の時代。インターネットも一般に普及していなかったので自力で調べることもできず、メディアとして取り上げられることも無かった女子サッカーという概念は当時小学生の私には無く、今考えれば結局遊びだけで終わり、全く経験のない人よりは多少蹴ることができるレベルに終わった。しかし、未練はあったのかサッカーと同じ「キーパー」という概念があるハンドボールの授業は積極的にキーパーをやっていた気がする。結果授業で2回骨折はしたが……

今はどうだろう。2011年FIFA女子ワールドカップドイツ大会でなでしこジャパンが優勝して以来女子サッカーは競技としての知名度は上がった。しかし、小学生年代のチーム数は男子サッカーチームの6分の1と、やはり少ないのが現状である。小学生年代だと男女混成チームも珍しくないが、やはり中高生ともなるとそうもいかない。これはフィジカルの男女差から仕方ないことだと思う。
現在では女子サッカー部がある高校も増えてきた。しかし、それは主に東京・大阪・神奈川等の都市部や静岡のように元からサッカーが盛んな地域での話であり、県内の女子サッカー部数が一桁というところも珍しくはない。
練習も女子部員だけという環境はそんなに多くなく、女子チームとして登録はしているが実際は男女一緒に活動をしている。しかし、やはりそもそものフィジカル差から当たりも厳しいものになる。ただ、そんな男女混成の練習環境からも後になでしこジャパン代表になるような選手も出ているので、険しい環境には違いないが、厳しいからこそ大輪の花を咲かせられる選手が生まれるのだ。

今回の出演者の男女の割合は先に述べたサッカーの現状とは異なり女性の方が若干多い。
中心は男性陣が担うとしても、男子サッカーを表現するには脇を固める女性陣にとって大きな消耗が予想される。
消費したエネルギーがそのまま客席に伝われば、きっとサッカーの試合が持つ熱が伝わるだろう。
そうして見えた場所に、きっと幼い頃、無意識に置いていった何かがあると信じている。

2022年4月29日

文:甘味屋 餡子 (役者)https://twitter.com/raincloud_017

写真:森 弘 (役者)https://twitter.com/jm1jer

   小夜子(役者)https://twitter.com/sayokomBoo

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【公演概要】
ケーキを海底のポストへ投函 vol.4『BANANA SHOOTER』
作・演出=堀伸也

日時:
2022年5月28日(土)
14:00〜 / 18:00〜
2022年5月29日(日) 
13:00〜/ 16:00〜
(いずれも開場は開演時間30分前)

会場:
神奈川県立青少年センター スタジオHIKARI(多目的プラザ)
(最寄:桜木町駅 徒歩8分)

チケット
※全席自由、当日精算のみ
前売・当日 3,000円
高校生 1,000円


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