見出し画像

映画「ナポレオン」と肖像画

1990年ごろヴェルサイユ宮殿とルーブル美術館で購入したナポレオンのポストカードです。
映画を観たので在庫を漁ってみたら、出てくる出てくる。
本物も拝みましたが戴冠式の絵が巨大だったという記憶があるだけ。なぜなら、ベルサイユもルーブルも広すぎてヘトヘトになっていたし、30年以上も前だし......

映画は封切り日の12月1日に観ました。封切り日が映画の日なんて、ファンタスティコですね。
師走は忙しくてすぐに感想を書けずにいたら、1ヶ月経ち大分内容を忘れてしまいました。30年に負けず劣らずの忘却っぷりです。しかも1回しか観ていないため、全くもって記憶鮮明ではありません。
それに加えて(引いた方が良いのかも) おかしな視点での感想となりますこと了承ください。

さて、以下は映画の感想となり、ネタバレを含みますため知りたくない方は先に進まぬようご注意ください。
写真を挟みますね。






ナポレオンとジョゼフィーヌ

映画「ナポレオン 」

監督  リドリー・スコット
主演  ホアキン・フェニックス

冒頭はアントワネットの処刑から始まります。
目を覆うショッキングなシーンです。
最後まで持つかしら自分、と少々不安になるも、その場面に血気盛んな男が登場します。
ジョーカー! ではなくフランスの英雄ナポレオンの登場です。

様々な戦争で成果を上げ知名度も上がり、恐怖と混乱のフランス革命期、ついにクーデターで政権を奪うナポレオン。
そしてジョゼフィーヌと出会います。当時のジョゼフィーヌは、牢獄から解放されたばかりでショートのざん切りヘア。アンニュイな雰囲気なのに妙に目ざといような印象です。ドレスはネグリジェのような薄衣。フェロモン露出系美女で、ひと目で身持ちがよくないとわかっちゃいます。その印象を微塵も裏切ることなく、結婚後も若い愛人をつくる生活です。
皇帝の妻というと社交会トップの座。そう、先のマリー・アントワネットの位置ですね。
ジョゼフィーヌは社交的でやり手、しかし内面には悲しみを抱えていて人生の虚しさを知り尽くし、それを享受しているように感じました。奔放でいながら母性的です。
ナポレオン成功と衰退の影にジョゼフィーヌへの愛憎と依存あり、という......ジョゼフィーヌに転がされていました。ナポレオンも強制離婚という酷いことをします。ジョゼフィーヌは別れてから城を与えられ、結構充実した日々を送っています。一方でナポレオンは覇者から小男に成り下がってゆきます。転落振りが痛々しい。
ナポレオンは最後の時まで「いつも心にジョゼフィーヌ」なのでした。身も蓋もないまとめ方ですが、そういうことです。
そんなに好きならどうして別れるかな...…男と女はいつもミステリィです。

壮大なシーン

話は戻り、戦争シーンは圧巻です。
「アウステルリッツの戦い」は世界史の授業に出てきました。エキストラ何千人が話題になっています。
「関ヶ原」だなあ、と心の中でつぶやく。そして凍った湖(川?) に落ちる馬たちのシーンも見せ場ですね。
マレンゴ、エジプト遠征、アウステルリッツ、ワーテルロー、モスクワ遠征......
極寒のモスクワ遠征時にモスクワの街をロシア人が焼いてしまうシーン、ナポレオンと共に呆然としました。
そのほかにも釘付けにされながらも目を覆ったり、上映中に声を抑えるのが大変なシーンが次々と来ます。
しかし、シーンはどこを切り取っても「壮大」です。
機会があれば是非スクリーンで観ていただきたいです。

 

戴冠式

ナポレオン戴冠式ほか

戴冠式の絵画です。
映画でもシーンがありました。まんまでした(笑)
よく再現できたなあと感心しました。
肖像画のとおり、ナポレオンが皇后ジョゼフィーヌに王冠を授けています。戴冠式ではさすがに薄衣ではありません。
自分も自らの手で王冠を被っちゃう。教皇よりも偉いんだぞというナポレオンの演出です。
左側の白いローブを着てモデルになるシーンもありました。女優のような出立だったロココの女王アントワネットと双璧の豪華絢爛ぶり。
ナポレオンの勝利が続き、バブルなフランス経済がうかがえます。
向かって右、椅子に腰掛けたナポレオンの拗ねた感じがかわいいですね。


ナポレオン、永遠の眠り

パリでナポレオンが眠る場所

映画には出ていませんが、パリにあるLES INVALIDES 
レザンヴァリッドと発音します。
ここはよく覚えています。
ナポレオンの兄弟もここに眠っています。


それでは最後になりますがひとこと。 

なんとPG12でした!

この映画、日本ではPG12です。
え......っ?
小学生以上ならOK、12歳未満(小学生以下)の観賞には、成人保護者の助言や指導が適当とされるという区分です。
本当に?
恐怖政治や残虐な戦闘シーンや薄衣やナポレオンとジョゼフィーヌのイチャイチャなど、堂々とR指定にふさわしいシーンが続くのに、R15でもなくまさかのPG12となっています。
ちなみにPG(Parental Guidance)小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が必要。観賞する際にはなるべく保護者同伴をオススメする作品ということ。
なるべくって......。

ちなみにアメリカではR指定です。アメリカでは17歳未満は保護者同伴でなければ観賞できないとするもの。
アメリカは禁止ワードが1回でも入るとレイティングが厳しくなります。
イギリスでは15(15歳以上推奨)
アムールの国フランスでも13+
やはり日本は一番緩いですね。
野暮? お堅い? PTA的な意見?
いやいやいや、観ればわかります、皆様も。
歴史の勉強によさそうとかで小中学生に勧める前に考えた方がいいですよ。それに万が一子供と一緒に観たらバツが悪くなること間違いなしでしょう。
大人だけで観ると楽しめる映画です。 

最後の最後に、大事な事なのでもう一度言わせてください。
「是非巨大スクリーンで観ていただきたい作品です」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?