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ワタクシ流☆絵解き館その131 春の診察室―田辺完三郎の詩②

南薫造 「庭」 1947年 油彩 呉市美術館蔵

筆者が好きな詩人、田辺完三郎の詩を紹介する第二編目。詩人は1941年生まれで、すでに故人。生涯に「ほろ酔い詩集」一冊を亡くなる直前に出版した。
「ほろ酔い詩集」から下の詩を掲げよう。田辺完三郎と同郷(福山市)の、井伏鱒二の詩を思い起こさせるエスプリとほのかなユーモアの効いた詩だ。
添える絵は南薫造の「庭」。南の生家は医者で、その生家の庭を描いた絵だ。
筆者は、現在南薫造記念館になっているその場所を訪れたことがあるが、この詩の中に出てくる庭とは違い、南薫造の画業に通づるような美しく整えられた眺めだった。
扉に掲げた家屋の写真は、撮影地は香川県の某処。南薫造の詩と同じく、この詩との関連はないが、何となくこの詩の医院の雰囲気を連想させるように思い扉とした。

                       令和4年4月 瀬戸風  凪


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