マガジンのカバー画像

俳句のいさらゐ

35
松尾芭蕉の俳句が、上質のエピグラム(寸鉄詩)であることを探ります。
運営しているクリエイター

#俳諧

俳句のいさらゐ ◈∔◈ 松尾芭蕉『奥の細道』その十九。「笠嶋はいづこさ月のぬかり道…

芭蕉が行きたかった笠嶋とは、平安朝 ( 紫式部と同時代人 ) の一頭抜きん出た歌人、藤原実方ゆ…

1

俳句のいさらゐ ▧⊛▧ 松尾芭蕉『奥の細道』その十八。「笈も太刀も五月にかざれ紙幟…

多くの解説書では、名吟とも評されず、深く触れられてはいない俳句である。前文から俳句の意味…

2

俳句のいさらゐ ⋓◍⋓ 松尾芭蕉『奥の細道』その十七。「一家に遊女もねたり萩と月」

「一家に遊女もねたり萩と月」                      芭蕉『奥の細道』…

6

俳句のいさらゐ ◬👁◬ 松尾芭蕉『奥の細道』その十六。「涼しさを我宿にしてねまる也…

今回は、尾花沢での芭蕉と曽良の俳句を解釈する。 先ず、芭蕉の最初の俳句「涼しさを我宿にし…

瀬戸風 凪
12日前
3

俳句のいさらゐ ■⇋■ 松尾芭蕉『奥の細道』その十五。「行ゝ(ゆきゆき)て たふれ伏…

この曽良の俳句で、おやと目に止まるのは、「萩の原」である。なぜ、倒れ伏すことがあろうとも…

瀬戸風 凪
2週間前
6

俳句のいさらゐ ◉↹◉ 松尾芭蕉『奥の細道』その十四。「波こえぬ契ありてやみさごの…

曽良のこの俳句を、『奥の細道』象潟の段の掉尾に置いた意味を考えていて、第一句である芭蕉の…

瀬戸風 凪
2週間前
5

俳句のいさらゐ・物語仕様 ✧☽✧「松尾芭蕉/影法師①」

🎬 以下の文は、「俳句のゐさらい  松尾芭蕉『続猿蓑』より。「埋火 ( うずみび ) や壁には客の影法師」と「同 松尾芭蕉『奥の細道』その六。「世の人の見付ぬ花や軒の栗」の記事をもとに、読み物として仕立て直したものです。 元禄五年霜月 (十一月 ) 某日の午後、芭蕉は深川の庵を出て、川岸近くを一本の木切れが、己の歩みとちょうど同じ速さで流れてゆくさまを、我が孤影を映しているかとも感じながら清洲橋を渡り、水天宮の参道へとさしかかった。すでに今日の雇仕事を終えたと見える大

俳句のいさらゐ ❍✡❍ 松尾芭蕉『奥の細道』その十三。「あかゝと日は難面もあきの…

🟡 あえて同じ季語の句を同じ段に並べた◈ あかゝと日は難面(つれなく)もあきの風  芭蕉  …

瀬戸風 凪
2か月前
8

俳句のいさらゐ ❂◙❂ 松尾芭蕉『奥の細道』その十二。「野を横に馬牽(ひき)むけよほ…

🔶「走馬看花聞香下馬」の思い「野を横に馬牽むけよほとゝぎす」 この句から先ず連想するのが…

瀬戸風 凪
2か月前
6

俳句のいさらゐ ✿◎✿ 松尾芭蕉『奥の細道』その十一。時間の奥行きを詠む

「奥の細道」の中の、名吟の特徴として、 🔷 激しいもの、苦難を強いるもの、心を落ち着かせな…

瀬戸風 凪
3か月前
9

俳句のいさらゐ ☆♦☆ 松尾芭蕉『奥の細道』その五。「荒海や佐渡によこたふ天の川」

以前の記事、「俳句のいさらゐ 松尾芭蕉『奥の細道』その三」の「象潟や雨に西施がねぶの花」…

瀬戸風 凪
4か月前
7

俳句のいさらゐ ☪☪☪ 松尾芭蕉の陰の句、陽の句を比べ読み

第一幕 🎦 衣装を詠む句の陰と陽 ⭕ いでや我よき布着たり蝉衣    貞亨4年夏。芭蕉44…

瀬戸風 凪
11か月前
5

俳句のいさらゐ ▩▩▩ 松尾芭蕉『奥の細道』その三。「象潟や雨に西施がねぶの花」

◩◩ 『奥の細道』には、童女や若い女性をイメージさせている句が以下のようにある。 草の戸も…

6

俳句のいさらゐ ⊸⊸⊸ 松尾芭蕉『奥の細道』その二。

『奥の細道』は、自然観照の中に、人生の機微や人の心の核心が漉きこまれていて、何度読み直しても、新しい気づきをもたらしてくれる。引き続き、芭蕉の生み出す小宇宙を味わってみたい。 標題の「いさらゐ」はちいさな泉のこと。にじみ出て来る思いを、そんな古語に喩えてみた。 暑き日とはむせ返る暑熱と理解できる。最上川の川風が、その暑熱を海へ運んでいて、河口ばかりは暑さが和らいで爽快だ、という気持ちであると読む句なのだろう。最上川の下流の裾や、大きな風景を遮るものがない河口の広がりが見えて