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日本のスーパーで見つけたココナッツ、丸ごと1個使ってみた

フィリピン料理やスイーツ作りでよく登場する材料の一つ、ココナッツミルク。
日本のスーパーでもココナッツミルクの缶詰やパウダーを置いているところは多く、フィリピン料理やタイ料理を作るときにとても重宝します。
もし、そのココナッツミルクを生のココナッツから作ってみたら..?
そして、ただココナッツミルクを作るだけでなく、その他にもココナッツを活用してみたら?
そんなことを考えて、今回は1個の生のココナッツを使ってみました。


若いココナッツと成熟したココナッツ

私がココナッツからココナッツミルクを作ることになったのは、ちょっとした脳内のバグからでした。
息子を幼稚園に送り届けた後、ぼやーっとスーパーで買い物をしていると急に目に生のココナッツが飛び込んで来たんです。

こここ、こんな日本の田舎のスーパーにココナッツ!?
しかも1個、ニッキュッパ!(税抜298円でした。)

周りにはマンゴーやら、サンパロックなど他にも南国のフルーツが勢揃い。
南国好きとしては、脳内アドレナリン放出してしまう状況。

かっ、買おう!

家でブコパイ(ココナッツのパイ)を作ろう、と衝動的に買い物カゴにココナッツを入れていました。
ただ、買い物を終えて冷静になって気づいたのですが、カゴに入れたのは、パイ作りに使うものとは違う成熟したココナッツだったのです。

実は、若いココナッツと成熟したココナッツでは用途が異なります。
ココナッツウォーターが入っている点はどちらも同じですが、それを飲んだ後もまだ利用可能な部位があります。

若いココナッツは、中のプルっとしたのゼリーのような果肉を食べることができます。
その果肉はそのまま食べるだけでなく、ハロハロやブコパイ、フルーツサラダなどのフィリピンスイーツにも使います。

若いココナッツ

若いココナッツの外側は、黄緑色、もしくは緑の部分を削った状態で売られている場合は乳白色。

一方、成熟したココナッツは殻がとても硬く、色はうす茶色。

成熟したココナッツ


果肉はサクサクしていて、分厚く切った生の大根よりも少し硬いくらいです。
そのまま食べることもできますが、硬い繊維質なのでたくさんは食べられない感じ。
この硬い果肉を細かく削ったものからココナッツミルクは作られます。


ココナッツミルク作り

ブコパイを作るのは諦めたものの、せっかく買ったのだからこの成熟したココナッツを目一杯楽しんで見ようじゃないか、と俄然やる気になりました。
そこでまずココナッツミルクを作ることに。

①まずココナッツに穴をあけ、中のジュースを出します。
比較的柔らかくなっている箇所があるのでキリで穴を開けて、コップにチビチビと出しました。

このコップ1杯半のジュースが入っていました。

②ジュースが全部なくなったら、鉈(なた)のような刃の厚い刃物でココナッツを割ります。このとき家族がとても心配そうに見守っていました。手を切ってしまうと思ったのでしょう。(実際、要注意です。)

③ココナッツが割れたら、殻と果肉の間にナイフを滑らせ、テコの原理で果肉を殻から剥がしていきます。

④剥がした果肉を細かくします。
初めにおろし器で削ったらとても大変だったので、ミルを使いました。ミルだとあまり時間もかからず細かくすることができました。

ミルで砕く前の果肉


砕いたあと


ちなみに、フィリピンの市場やスーパーでは、ココナッツミルク用にこのココナッツを買うと、専用の機械でガガガーっとあっという間に削ってくれます。おろし器をはじめ使ったとき、その機械がとても欲しくなりました..。何気に力作業なんですよね。

④ココナッツが入ったボウルの中にココナッツが隠れるくらいの量の熱湯を入れ、手で何度もぎゅーっと搾ってココナッツの成分を水にうつすような作業をします。
ココナッツの成分が溶けだし液体が白色になったら、手や漉し器(ガーゼでもできそう)でココナッツフレークとミルクを分けます。これで完成。
追記:この時、熱湯ではなく水を入れてしまったためココナッツの成分が十分出ず、色も薄くなってしまいました。

缶詰のココナッツミルクよりももっとさらさらしています。
出来たココナッツミルクをお料理に使ってみましょう!

旦那のお父さんが以前搾り方を説明しながら何度か見せてくれていたので、その時の記憶を頼りにやってみましたが、最近いつも使っていた缶のココナッツミルクよりかなりさらさらしているので少し不安になりました。笑
けれど、これを使って作ったビコールエクスプレスは、缶のもので作るよりも好みの味に。ココナッツの甘みや濃厚さを残しつつも後味が軽いんです。


残ったココナッツフレークと殻


さぁ、残りはミルクの搾りかすのココナツフレークとココナッツの殻。

搾りかすのココナッツフレークは、ぱらぱらっと軽く塩をしてからアルミホイルの上に並べて220度で40分、時々かき混ぜながら焼き、香ばしいココナッツフレークに。
シリアルやヨーグルトの上にトッピングとして使えます。

最後は
両手で包んで持ってみると、なんとも言えないほっこりとした気持ちに。
このまま捨てるなんて勿体ない。

そこでノコギリで飛び出ている箇所を切りおとし、尖ったフチをヤスリで丸く。
仕上げに食用油を塗り込んで磨き上げ、ココナッツの殻のボウルに変身させました。


ちょっといびつだけど、とても愛おしいボウル

はじめは間違いで買った成熟したココナッツでしたが、ご紹介したようにお楽しみ要素が詰まっていました。
ひとつ買って色々使える優れもの、まさに南国の恵みです。

みなさんももし機会があれば、(怪我に注意しながら)ココナッツを楽しんでみてくださいね!

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