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本当にLIVE配信が必要か説明してみる

僕の元にある相談が急に増えた。

増えた相談とは、主に下記。
①予定していたセミナーや説明会が開催できないのでLIVE配信したい
②会社の研修を自宅で受けられるようにしたい
③会議や打ち合わせをリモートでやるのに何か良い方法はあるか

まぁ、日本中がこういう事情だからよくわかる。
が、ぶっちゃけほとんどの場合がLIVE配信である必要性がない

あ、結論言っちゃったw

というのも、LIVE配信をする意味である情報の即時性双方向コミュニケーションのどちらもない場合が多いからだ。

僕はストーリーで伝えるドキュメンタリー映像を第三者目線でつくるのが得意ではあるが、会社説明会やセミナーなどイベントを演出する映像や企画モノも色々とやってきた。

最近はkmグループのオンライン会社説明会なるもの↓を作った。

合同会社説明会が開催されなった上に、大人数を集めて説明会自体をやることが難しくなったいうことで、急遽制作を決めて、3月1日の就職活動の本格スタートのタイミングでリリースした。

コレはあえてLIVE配信型にせずに(あとで理由を説明する)、15分程度に会社の魅力を凝縮することを狙った。学生もちろん、人事や経営者の方も観たらかなり参考になるはず。結構良い出来で気に入っている。

映像制作歴で言うと、今から23年前(高校2年時)におそらく日本ではじめて(知らんけど)「やってみた!」という名の動画をつくったのがデビュー作で、会社を立ち上げてからも10年近く映像制作やLIVE配信をやってきた。

研修やイベントの様子を動画に撮って、参加できなかった人に観てもらえるようにすることもあれば、編集してコンパクトにすることもある
Youtube、Twitter、Facebook、LINEなどでLIVE配信をすることもある。

一応、経験は少なくない僕の視点で「LIVE配信が必要か」について説明しようと思う。最低限知っておくと良いと思うことをまとめてみたので、動画というものを考える上で参考にしてもらえたらと思う。

1.動画(非同期型)とLIVE配信(同期型)の違い

動画と言っても、言うならば録画放送とLIVE配信がある。TVでも収録番組放送と生放送があるのと一緒である。専門用語だと、配信する側と視る側が同じ時間に同期しているLIVE配信は同期型、配信する側と視る側が同じ時間に同期していていない非同期型ということになる。

LIVE配信と呼ばれるのは生放送なわけだが、配信した動画をそのままネット上に保存してあとからも見れるようにすると、アーカイブされた(保存された)動画は非同期型ということになる。

同期型は見る側も「今やっているんだ」という臨場感を感じられるので、親近感を感じやすく、あえてLIVE配信でしか見れないようにする(アーカイブを残さない)スタイルはトレンドになりつつあるように思われる。

FacebookやInstagramのストーリー動画は非同期型(生放送ではない)だけどアーカイブされずに24時間で消えることで、「今」という臨場感が感じられるのがウケている理由と言われている。

例えば、スポーツや結果発表など何かしらニュース性があるなど、今この瞬間に伝える意味があるものはLIVE配信との相性が良い。「東京マラソンのゴールで大迫が日本記録出したのでインタビューしてみる!」はLIVE配信の意味がすごくあるけど、「今話題の厚底マラソンシューズの感想」はLIVEでやる必要はあまりない。

まぁ、あとで編集してアップし直すのも大変だし、LIVE配信して、そのままついでに動画も残しておいて後で見れるようにしておこうって考え方もある。

ちなみに、会議や打ち合わせは同期型ではあるが、不特定多数を対象にしたものではなく、事前に特定されたメンバー対象なのでLIVE配信というよりはオンラインビデオ通話なので、zoomなどのツールを使ってガンガンやるのが良いと思う。

2.双方向コミュニケーションの有無

同期型(生放送)の良いところの1つが視聴者との対話。つまり双方向、インタラクティブってやつ。

LIVE配信を観ながら、チャットをしたり、コメントでワイワイガヤガヤやる感じは同期型の醍醐味と言える。

ファン作りという意味では非常に重要な要素で、InstagramやSHOWROOMや17 Liveがよく使われますが、ライブ配信する人は「ライバー」と呼ばれている。

Youtuberと言うとYoutubeに色んな動画をあげていく非同期型の番組をつくるクリエイター。ライバーと言うと、同期型でコミュニケーションをするクリエイターって感じ。

ぶっちゃけ、視聴者と対話しないならLIVE配信にする意味は激減する。さらに今(生放送)である必要がなければ、もうLIVE配信にする理由はもはやない。

つまり「会場に人を集められないのでオンラインで配信しよう」という理由で開催する会社説明会やセミナーのほとんどはLIVE配信をする理由がない。むしろちゃんと作り込んだ動画をいつでも観れるようにしてあげた方が効果的なことが多い。

しかし、質問や相談を受けて答えるなど双方向にするなら話は別だということ。むしろ、アーカイブを残さないというのは「今である必要性」をあえて作ってるとも言える。

理屈っぽく言ったが、LIVE配信を生で観るのと、アーカイブで観るのとで全然感覚違うのは見ればわかる。

3.誰が観てくれるのか?

超重要なのは誰が観るのか、誰に観てもらいたいのか、観てもらえるのか、ってこと。

当たり前だけど、LIVE配信をしたからと言って誰かが観てくれるわけではない。SNSのフォロワーの多いアカウントで配信すればフォロワーが観てくれるけど、そうじゃなければ、急にLIVE配信をやったとしても「配信している」ということすら誰にも知られずに、画面に映る視聴者数の数字を前に、悲しみに打ちひしがれることになる。

だから、いきなり「LIVE配信したい!」と言っても、情報を届けられるリストがあるとか、SNSのフォロワーが多くいるとか、何かしらの方法で多くの人に配信することを伝えられない限り、LIVE配信は多くの人に届かない

唯一あるとすれば、拡散される(バズる)ってことだが、LIVE配信でバズらせるってのはとてつもなく難しい

なんか書いてて「やっぱりLIVE配信はむずいな」って感じの流れになっちゃったけど、あまり難しく考えずに気軽にフレンドリーに やる分には全然気にする必要はない。というか、むしろコツコツやっていくことでファンが増えるし、やった方が良い。

会社説明会やセミナーを「リアルで開催できないからLIVE配信!」って気軽に言う企業には、LIVE配信する意味ありますか?ちゃんと観て欲しい人に観てもらえる準備ありますか?と問いたい。

4.意外とややこしい必要な機材

何の機材が必要か?と聞かれたら「スマホ」って答えたい。というか、スマホで済むのが一番良い。カメラ、マイク、コンピューター、配信ソフト、ネットワーク回線が1台につまっていて超優秀なのだ。逆に言うのこの5つは確実に必要だ。

弱点があるとすれば、周囲がうるさい(マイクがノイズをひろう)、暗い(照明があれば解決)、(画質を良くしようとすると)ズームに限界があるというところ。

しっかりしたビデオカメラを使いたくなるところだが、コンピューター(PCなど)につなぐ回線が必要で(カメラによってはそもそも無理)、コンピューターで配信するソフトが必要になる。当然安定したネットワーク環境も必要になる。詳しい話は機材によってもかなり異なるのでgoogle先生に聞いてみてもらいたい。

だから、ぶっちゃけスマホ一台でやれることから逆算して考えた方が遥かに手軽なのだ。というか、普段やってる身からすると、わざわざちゃんとしたカメラで撮影する場合「LIVE配信でなくて良いなら相当楽になるけど、それでもLIVE配信が良いの?」って話なのだ。

5.誰に相談したら良いのか?

映像制作と言っても、制作側だけでも、ディレクター(企画や進行監督)、脚本・作家(どんな映像をつくるか考える)、カメラマン(撮影)、エディター(編集)ほかナレーターやサウンドクリエイターなども色々いて、撮影や編集はジャンルによって必要スキルや機材(レンズの種類など)やソフト(映像編集ソフト、CG制作ソフトなど)が違う

だから、自分が作るべきは何かがわからない段階で、更に相手が何が得意な人かわからない状態で「映像」「動画」というキーワードだけで相談するのは結構ギャンブルなのだ。

だから、損得抜きに相談のってくれる信頼できる人(この人が言うなら間違いない)か、むしろたくさんの人に相談しまくる(色んな情報から自分で判断できるように学ぶ)かのどっちかだと思う。

もし、自分が作りたい動画ややりたいLIVE配信があるのなら、それを作った人や配信した人に相談するのが一番だろう。

↓こういう熱いドキュメンタリー番組作りたい企業(人)は相談ください。

僕は相談されると「それ本当に必要?」ってすぐ言うかもしれないけど、もし興味ある人が多いなら、オンライン配信セミナーのオンライン配信セミナーやるかもなので、何かコメントとかTwitterやFacebookとかでリアクションくださいませ。

追記:LIVE配信の意外なメリット

LIVE配信はかなり見られやすい(かもしれない)

僕が企画・運営に関わっている起業支援拠点HATSU鎌倉のFacebookページでLIVE配信をしたところ、放送中に視聴数が300回程度(少しでも観た人)、そのまま動画を投稿に残しておくことで数日で1,600のリーチで、1,200回程度再生された。編集した動画をアップした場合は広告無しでは300回程度の再生数だったので、LIVE配信が多く見られやすいと言える。

Facebook(Instagram)社がLIVE配信の動画コンテンツを推しているのは同社の発表からも読み取れるので、個人のお知らせ通知欄にLIVE配信の通知があがったり、TwitterやLINEなどでも、LIVE配信中のサムネイルが上位に表示されたりする。

「何を配信しているんだろう?」という野次馬的な初動が結局コンテンツのエンゲージメントを押し上げる要素にもなると言える。

つまり、ここまで書いて全てを覆すような見解ではあるが、LIVE配信は双方向コミュニケーションや即時性のない情報発信でも、広く届ける(認知を広げる)という狙いだけでも十分にやる価値があるかもしれない。と、無責任に言っておこう。ということで、僕もたくさんLIVE配信やってみます。

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