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はじめから自由だった僕ら!

ハンブレッダーズ最新アルバム「はじめから自由だった」について書きます。
2月21のリリース日にCDをお迎えしてから、冗談ぬきに毎日聴いています。
そして、感想を書きまくりたいという衝動に駆られています。
十二分に素晴らしい音楽を、拙い言葉で表現するなんて野暮すぎると思いつつ、野暮なことをしてやる!書かせてください!

「いい意味で肩の力が抜けたアルバム」

メンバーがインタビューで語っていた意味が、
聴けば聴くほどよくわかります。
ハンブレッダーズがメジャーデビューしてからの3,4年間は、
本人たちの言葉を借りれば、「VSコロナ」でした。
あらゆる曲にそういうモチベーションがこもっていた、というのもありますが、
本人たちが思っている以上に、
聞き手にある意味「深刻な」メッセージを受け取られてしまったというようなことも、インタビューで仰っていました。
でも、昨年のツアーやメンバー同士での話し合いの中で、
「もっと自由で良いよな」「はじめから自由だったんだな」
という方向になったそうです。

こんな「ブログにエンタメの考察書いてるやつ」に言われたくないと思いますが、
いろいろなエンタメに触れていて、
エンタメに深刻さとか教訓とか求めすぎ、
というか勝手に見出しすぎだなぁと思うことがあります。
そこにあるのはそれぞれのモチベーションで、
正しさ、バランス、360度への配慮は、
二の次でいい時だってあると思うのです。
そう言った意味では、このアルバムは、
気負わず、バランスもとらず、これまでの「ハンブレッダーズ像」に囚われず、
でも自分たちらしくやりたいことをやる、
そんな余裕のあるアルバムに仕上がっているのだと感じました。

やっぱりロックが、バンドが好きだ

私は、改めて思いました。
私がバンドを好きになったきっかけはヴィジュアル系だったのですが、
バンドの何が好きになったかというと、
ネガティブを肯定してくれるから」でした。
その頃、私は17歳ぐらいでした。
流行りのJPOPとかアイドルソングはムカつくぐらい明るくて、
「元気出して!ハッピー!」って言われても
テンションが上がらない自分だけ取り残されている感じがして、
ネガティブな気持ちを、汚い感情を抱くことすらいけないような気がしました。(実際はそんなことないんだけどね。)
でも、バンドは違った。
鬱憤も全て、カッコよくしてくれる、そんな気がしていました。

今回のアルバムリリースに先立って、
ハンブレッダーズムツムロアキラさん(Vo./Gt.)が
オールナイトニッポンに出演されて、その時にこんなことを仰っていました。

自分の中の汚れた部分とか汚いところをちゃんと肯定してくれたからバンドを好きになった

ハンブレッダーズ・ムツムロアキラのオールナイトニッポン0(2024.2.11放送)

綺麗じゃないものが許されなくなってきている(中略)
どれだけクリーンなものを求められても、その圧力の中で都合の良いBGMにならずに、ちゃんと歌いたいことを歌っていかないといけないな
(中略)
汚い部分を貫いていきたい

ハンブレッダーズ・ムツムロアキラのオールナイトニッポン0(2024.2.11放送)

もしかしたらセルアウトするものとしての音楽は、
耳に心地よい言葉の羅列なのかもしれませんし、
彼らも「メジャー」アーティストになった以上、
ある種の「圧力」の中にいるのかもしれません。
でも、「歌いたいこと」のなかに、
かつての私のように汚い部分があるかもしれないし、
そんなロックに、そんなバンドに救われる人もまた、たくさんいるはずです。

まとめにかえて

同ラジオでムツムロさんは、
バンドとして世の中と対峙していきたいと語った上で、
「綺麗なものだけを求める社会」に対して次のフェーズは歌っていこう
と仰ってました。
今回のアルバム「はじめから自由だった」は、まさにその対峙を感じるアルバムです。
いつもより韻の踏み方とかわかりやすいし、言葉選びもいい意味でラフ。
例えて言うと、
ここまで言っちゃったらダサくない?みたいなとこまで説明しちゃうような
カッコつけてない感じ、ジャリジャリした感じがします。
ロボットがでかでかとあしらわれたジャケットとは裏腹に、
喜怒哀楽と体温と、鋭い眼差し、凹むほどの筆圧、そんな
人間味・人間臭さを感じる楽曲ばかり。
そのコントラストにさえ、余裕を感じさせるハンブレッダーズ の「今」を是非、聞いてみてください。

おまけ

大阪城ホール、行ってらっしゃい!

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