見出し画像

夜の女たち 観劇記録

ミュージカル夜の女たちを観劇しました。
舞台は戦後の大阪。さまざまな理由から夜に堕ちていく姉妹3人を描く物語です。

混沌の中の叫び。

観終わった後、1番に思ったことはこれでした。

こんなに魂を揺さぶられた舞台は初めてかもしれません。

ミュージカルと呼ぶには歌声が拙いのですが、だけども、それがとてつもなく素晴らしく、台詞の後に続く拙い歌声がエンタメの要素をしっかり含みつつ、真実味を増した言葉として生まれ変わっていました。

言葉が、歌が、混沌を呼び、その中で一人一人もがいている人たちを浮き彫りにする。

そんな感じでした。

房子が夜に墜ちていくのですが、墜ちてからの方が人間味をグッと増していく無情さが、また堪らなく物語を彩っていました。

世間的には善人と呼ばれる院長が滑稽に思えるほどに世界は混沌としているし、誰もが間違ってる。
そんな中でもがく女たちの体の叫びが、私の女としての性を刺激して、湧き出るような衝動に駆られ、嗚咽をあげたくなるほど込み上げてくるものがありました。

私はこの当時の大阪のことなど知る由もないが、帰り道まん丸に輝く朧月夜を観て、彼女たちも月は見ただろう。
せめて、いっときの安らぎがありますようにと他人ながら祈りながら帰りました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?