短編小説 地図が描く時間軸~P2P2曲目 Color Of Loveより~
今思えば、映画や漫画のような出会いだった。
カフェでお互いよそ見をしてぶつかってしまい、僕の真っ白なシャツに、女性が持っていたコーヒーが、これでもかと言わんばかりに茶色い地図を作った。
「わあ!ごめんなさい!どうしよう!コーヒーが、うわあ…」
これが漫画だったら、額のあたりに縦線がいくつも入っているんだなってわかるくらい、彼女は真っ青になっていた。
そうかと思うと、次の瞬間表情が突然変わり、僕をまっすぐ見据えた。
「あの!10分だけ時間ください!今、新しい服を買って