見出し画像

Origami Payの台湾「JKOPAY(街口支付)」&中国「銀聯国際」との提携について思うこと。

中国ではここ2年ほどで、「支付宝(アリペイ)」や「WeChat Pay(微信支付)」といったQRコードによるスマホ決済が都市部を中心に普及しているそうです。急速にキャッシュレス化が進んだことで、キャッシュレス先進国として世界中の注目を集めるまでに成長しています。

インドでは高額紙幣の廃止に伴い、一時的に混乱が生じたものの、既に世に登場していた「PayTM」というQRコード決済が急速に普及しました。欧米ではクレジットカードやデビットカードが決済の多くを占めています。

いずれにしても世界の国々では決済全体に占めるキャッシュレス比率が非常に高く、お隣の韓国ではキャッシュレス比率がおよそ9割に達しています。

日本は現金至上主義国

日本に目を転じてみると相変わらず現金が主流で、キャッシュレス比率が2割程度です。経済の底上げのため、国は外国人観光客の誘致を積極的に行っていますが、日本を訪れた外国人からは「日本はカードが使えない店が多くて不便だ」という不満の声も聞かれます。

<参考>
●観光庁:外国人旅行者に対するアンケート調査結果について

「アリペイ」&「WeChat Pay」導入が売り上げUPに

訪日外国人の4分の1を占める中国人。一時は中国人の「爆買い」が流行語に選ばれるなど、その購買意欲の高さには目を見張ります。今ではだいぶ落ち着いたとはいえ、現在もドン・キホーテやドラックストア・チェーンで大量の商品を購入している様子を見かけます。

中国では偽札が多いため、もともと現金払いが好まれません。日本で買い物をする際には、見慣れない日本円を数えるよりも、自国で使い慣れているQRコード決済の方が使い勝手が良いのは間違いありません。観光客の多い空港や大型電気店など、支付宝や微信支付を導入したお店では、顧客単価が大幅に上がったという話も耳にします。

<参考>
●日本政府観光局 統計:訪日外客数(2018 年 8 月推計値)

Origami Payはインバウンド対策に最強!?

日本人向けのQRコード決済サービスを展開しているフィンテックベンチャーOrigami(オリガミ)は、中国でいち早くQRコード決済のシェアを確立した「支付宝(アリペイ)」と提携し、既にOrigami Payのオプションとして「支付宝」を導入できるようにしています。

2018年9月20日には、中国の銀聯カードが展開するQRコード決済「銀聯国際(ユニオンペイ)」および台湾の「JKOPAY(街口支付)」との提携を発表しました。これによりOrigami Payの導入店舗では「銀聯国際」と「街口支付」も使えるようになるそうです。

中国で追い上げを図る銀聯

銀聯は以前からQR決済の技術を持ち合わせていたものの、Apple Payの登場もあったことから非接触決済に人気が集まると踏んで、そちらに舵を切りました。その結果、現在はアリペイやWechat Payを追う形になっています。

しかしアリペイやWeChat Payに使われている技術は、もともと銀聯が開発したもの。そこで国際的なクレジットカードの統一規格EMVに世界標準として認めさせることで、優位性を確保したようです。

台湾のQR決済を日本でも

台湾は訪日外国人数が中国、韓国に次いで多く、親日国としても知られています。日本では中国人向けQR決済が取り沙汰されることはあっても、中国以外のQR決済を導入できるサービスはなかったため、今回の発表は画期的だと思います。

外国人にとって使い慣れない日本円は不便なものですし、異国の地で不安を抱えながら大金を持ち歩くよりは、両替などの手間もなく、普段から使い慣れているスマホ決済の方が利便性も高いはずです。

今回Origami Payが「街口支付」との提携を決めたことで、中国以外の国の決済手段にも目が行くようになり、世界中から訪れる観光客へのおもてなしのあり方を見直すきっかけになるかもしれません。

<参考>
●中華IT最新事情:銀聯のQRコードスマホ決済が急追。スマホ決済は三国時代に

海外の銀聯QR加盟店でOrigami Payが使えるように

Origamiは銀聯との提携によって、海外でOrigami Payが使える環境構築に乗り出すそうです。2019年第一四半期中に世界750万店の銀聯QR加盟店での利用開始を目指すとしています。

国内でのQR決済普及に注力する動きを強める大企業が多い中、独自の視点でシェア拡大を目指すOrigamiの姿勢はベンチャーならでは。日本人が海外でもOrigami Payを使うことができたらきっと便利でしょうね。こういった個性的な取り組みは個人的に応援したくなります。

Origami Payなら口座も登録できる

Origami payはクレジットカードだけでなく、一部の銀行口座も紐づけることができます。お金の使いすぎが気になるなら、銀行口座を登録しておけば安心です。クレジットカードと違って、口座の残高を超える支払いはできないからです。

特に海外では開放的な気分になって、財布の紐が緩みがちです。Origamiアプリに登録した口座に旅行の予算を入金して、その中でやりくりするのは上手なやり方のように思います。

Origamiは他社のアプリにOrigami Payを組み込める「連携pay」も発表しており、今後も業界をけん引していくものと思います。Origamiのような会社は注目し続ける価値があると思うので、今後の動向が楽しみです。

●Origami ニュースリリース:Origami、世界で利用可能な決済サービスへ〜海外渡航者に向けたアウトバウンドサービスを実現し、訪日外国人向けインバウンドサービスも拡充〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?