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【抗がん剤】CVポート体験談 ~手術から抜去まで~

主に抗がん剤の時に使用する
「CVポート(皮下埋め込み型中心静脈ポート)」
について、私なりの体験談を書いてみました。

「手術がこわい・・」「入れる必要ある?」
など、悩まれている方も少なくなかったので
少しでも参考になればと。

ちなみに私は抗がん剤の8回(4ヶ月)で使用し
その後 主治医のススメで抜去したので、
6ヶ月ほどポートを埋め込んでいた状態です。

短い期間で悩みましたが、入れて良かったです。
悩んでいる方の助けになれば幸いです^^



CVポートを入れた理由

一番の理由は「腕の血管が細めだから」です。

今まで検査や採血でも何回かさし直したり、
あざが残ることもありました。

そんな繰り返しが続くと採血が苦手になり、
毎回、看護師さんがストレス感じてるのを
見るのもいやなんですよね。。

なので血管から強い薬である抗がん剤を
入れるのは、抵抗がありました。

それに
・血管が潰れる可能性
・使える血管を減らしたくない
・抗がん剤が漏れる恐れ
などもあり、ポートを入れることにしました。

点滴がストレスだと、
治療を続けるのも辛くなるので
一つでもストレスを減らしたかったのが理由です。

私はCVポートを入れるメリットが
デメリットを上回っていたので、
抗がん剤前に手術しました。

「局所麻酔で手術なんて怖すぎ・・」
とかなり不安でしたが、それでも
血管から点滴したくない!が勝ちました笑

もし可能なら、
体力が低下している抗がん剤中よりも
最初から入れるのをオススメします。

事前説明

私が通う病院では
乳腺の主治医からCVポートを薦められました。
事前に詳しい説明を聞くため、放射線科へ予約。

基本的な事前説明と動画をみて、
実物のCVポートを見せてもらいました。


引用:https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch9-2/keyword3/

確かこんなやつ‥。思っていたより小さかったです。

手術室の写真を見て、当日の流れも細かく分かり、
とても安心できました。

その際に、気になっていたことも聞いてみました。

  • ポートを使用しない時は1ヶ月に1回、生理食塩液でポート内部を洗浄、メンテナンスの必要あり

  • 危険性としては、破損や感染症、カテーテルやポートの中が詰まって使えなくなること

  • 上腕への設置もできるが、腕はよく動かすし、腕の肉?でポートが中で動きやすい。点滴しづらいのでポピュラーなやり方ではない

  • 採血に使うのはリスクが高い

採血に使えないのは残念でした‥
勇気出して手術してるし、色々使いたかった~。

同意書を提出し、ポート留置の日を決めます。
ドキドキしながら当日を迎えました。

手術当日

当日は血管造影室にて
放射線科の医療チームの皆さんが担当です。

平日なので、午前の仕事をお休みし
午後は具合悪ければそのまま休むか、
大丈夫そうなら在宅勤務と思ってました。

病院によっては入院もあるみたいですが、
私は日帰り手術です。

手術はいつだってイヤだし
全摘時の痛みがトラウマになり
痛みに弱くなっていたので、心臓バクバクでした。
途中でやっぱり帰ろうか‥と思うほど(´;ω;`)

造影室の脇で検査着に着替え、
熱、血圧を測り、点滴をします。
で、これまた点滴がなかなか入らず‥汗

まだ逃げ出したい気持ちなので
看護師さんに
「入れた方がいいですよね?」
って確証得たくて聞いたら、

「入れたほうがいいよ!」
と明るく答えてくれて、
それでスイッチ切り替えました(笑)

手術室に入ると、
でっかいモニターが置いてあって圧巻!
それを見ながらポートを留置するんですが、
脈が落ち着くように不安を抑える点滴や
音楽かけてくれました。

腕が暴れないように
幅広なひもで制限されるのが
ちょっと怖かったけど。

でも顔には布がかけられているので
様子はよくわからなかったです。

・痛いのは局所麻酔の2回のみ
(麻酔が効いてて切る時は痛くない)

・麻酔打つ時は必ず言ってくれる
 (今から麻酔しますよ~チクッと痛いけど頑張りましょ~)

注射は確かに痛かったけど、
思っていたよりは大丈夫でした。
それよりも緊張して身体が固まります。

周りにスタッフのみなさんがいて、
いつでも質問できる状態です。
(ちなみに医学生?もいた)

看護師さんが麻酔の時、
安心するように肩に手を置いてくれて、
(ドクターXみたいだな。。)
とふと思いました。

手際のいい先生で、
手術はあっという間に終わりました。

全摘の傷跡を想像してしまいましたが
傷も深くなく、きれいでした。

当日は痛み止めの注射と薬のみ。
少し安静にしたら先生が様子を見て、
そのまま帰りました。

傷の経過

帰宅後、傷跡の痛み、違和感はありましたが
仕事もできる状態なので、午後は在宅。
会議も参加できました。

傷口は2カ所。「鎖骨の少し上」と
「鎖骨から指3本ぐらい下」あたり。

直後は先生がバンバン叩いて、
埋め込んだポート辺りが赤くなってました。
(手術中、埋め込むために強い力で
叩かれたけど麻酔で痛みはないです)

2か所の傷にテープが貼られましたが
上の傷が引っ張られて、かぶれて痒い‥
1週間も経たず剥がしました。

次の日は痛みもかなりマシになり、
5日も経てば痛みはほぼなかったです。

横向きに寝る(ポートを圧迫する)
かばんを肩にかけて引っ張られる時は
少し痛みあり。

ただ違和感も慣れてきて、
内出血も引いていきました。人間の体ってすごい!



※次は5ヶ月ほど経った、傷の写真が映ります。
 苦手な方は飛ばしてね!








   





5ヶ月後

鎖骨の傷①と、CVポート上にある傷②

傷①の鎖骨の傷は
近くで見ないと分からないほどです。

ポート近くの傷②は切り口きれいですが、
傷に隙間ができて、赤みが出てしまった模様。
後から知ったけど保護テープ貼ればよかったらしい。

日々のケアは、
左胸全摘の傷口にヘパリンの
ヒルロイドを塗っていたので、
ついでにポート部分もぬりぬりしてました。

抗がん剤で使用してみた

CVポートから点滴って
どんな感じか想像できなかったけど

いざやってみると、めっちゃ快適!

点滴ルート確保のストレスもゼロ。
ボタンみたいに出てるCVポートへ
ブスっと刺せばすぐに完了です。

それに後半の抗がん剤は3時間半も
点滴しないといけなかったけど、

・腕を自由に動かせる
(スマホ操作、副採用対策の冷却もしやすい)
・横向きに寝られる
・トイレも行きやすい


ちょっと気を遣うのは、
・抗がん剤当日は首元に余裕のある
 服を着ること(ポートにすぐ刺せるように)

・刺すときにぐっと押されるので
 一瞬すこし痛みがあること
 (でも腕の血管の痛みよりは全然マシ)

ぐらいでした。

ポートを入れてストレスが1つ減ったし、
腕の痛みや血管痛もなく、完走できました。

何よりケモ中は副作用対策など
色々気を遣うのですが、腕から抜けたり
ずれる心配がなかったのも良かったです。

メリット・デメリット

ポートのメリットは上記の通りですが
デメリットだなと思う点はいくつかありました。


①外科的な手術が必要(挿入と抜去の2回)

一番のデメリットはこれです‥手術が怖い。

しかも、全身麻酔ではなく局所麻酔なので
トラウマでちょっと泣きそうでしたが、
メリットを信じて受けました。

でも30分~1時間の手術で終わるので
えいや!と受けて良かったです。

②首元のあいた服が着られない(傷跡が見える)

CVポートは日常生活、入浴や
外出時の制限はほとんどありません。

ただ目立つ場所に傷跡をつけるため、
CVポートの傷跡が見える服は
着づらかったですね。。特に夏。

人によって傷跡はまちまちだと思いますが、
意外に胸のあいた服だと見える位置です。

例えば店員さんや友達がこれを見たら、
少しぎょっとするかな?と思って。

夏によく着る首元が開いたカットソーは
着るのを遠慮しました。

なので、傷跡をつけたくない方、
胸元があいた服が多い方は躊躇するかもです。


③ポートの違和感・痛み(睡眠・外出)

これも人によるかもしれませんが・・

ポートを下にして寝ると
異物の入った違和感や痛みが出て
しばらく横向きに眠れなかったです。

ポートを入れて1週間後、
抗がん剤初日にポートのあたりに
痛みが走りました。

もうびっくりして放射線科に相談して
看護師さんにも見てもらいましたが、
感染や腫れなどはなく、大丈夫でした。

どうやらポートを下にして横向きに寝ると、
ポートに圧がかかってしまい
痛みが出てしまったのかなと。

数ヶ月経つと、痛みはマシになりましたが
ぐっと体重をかけると
異物が入っている違和感があります。

睡眠は重要なので、特に横向きで
いつも寝る方はストレスかも。

他には外出時、斜めがけのかばんが
ポートにあたるとか、
車の運転でシートベルトがあたる・・
という方もいるようです。

生活によっては、ちょっとした
ストレスかなと思います。

CVポートの抜去


抗がん剤終わって2ヶ月。

主治医から
「異物なので、いらないなら抜いたほうがいい」
と言われて、抜くことになりました。

私は機会があるなら、CTスキャンの造影剤や
次の再建手術で使いたかったですが‥
(つまり腕の注射がめっちゃ嫌)

「たまに使うのは(使用頻度が落ちるなら)
使うことにならないので、抜いたほうがいい」
=ようは定期的に使わないなら
注入時にポートが詰まったり
感染などのリスクが上がるので
はずした方がいい、というような事かと。

ということで、抜去手術。
今度は乳腺の主治医が担当してくれました。

切るのは傷②の場所だけで、
局所麻酔も1回、40分ほどで終了。

入れるよりも簡単に抜けましたが、
それでもイヤなので、手術中はずっと
看護師さんに手をにぎってもらう奴。。
ビビりですんません。

でもあっという間に終わって、
ようやく抗がん剤の治療が
すべて終了した気がしました。



その後の診察。
何日か傷が痛かったものの
傷は閉じてて、結果良好。

あとは傷跡を目立たなくさせるために
保護テープを3ヵ月ほど貼ってほしいとのこと。


え、最初に教えてほしかった。。
それは知らんかったやん~。

おススメテープは
「3M マイクロポアテープ」でした。

テープの貼り方は以下を拝借。
適当に切って、ちょっと重ねて貼るだけ。

引用:https://www.e-bec.com/archives/5938
リンク先に傷について詳しく書かれてました。

2週間ぐらい貼りっぱなしでもいい。
はがしたときにお風呂で優しく洗って、
また貼ってくださいとのこと。

なぜ貼るかと言うと、傷は閉じているけど
腕や胸など 皮膚がよく動く場所では
物理的に度々皮膚が引っ張られ、
縫合してもすきまができてしまうらしい。

そうすると、5か月経過の写真みたいに
皮膚が赤くなったりするみたいで。

きれいになるまで3カ月程度、
目立たなくしたい!って方なら
半年ぐらい貼ったほうがいいんでしょうね。


やはり体に傷をつけると
なかなか元には戻らない。。

傷はつけないに越したことないなぁと
改めて思ったり。


結果的には入れて良かった


色々ありましたが、結果的には
CVポート入れて正解でした。

1人の体験者としての話ですので、
質問や判断される際は
必ず医師へご相談くださいね。

無事に治療を乗り越えられますように‥!

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