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「女の子なんだから」と言わない子育て(四谷大塚5年第1回公開組分けテスト)

娘二人を育てるうえで、常に自分に戒めていることがあります。それは「女の子なんだから」という言葉は使わないということ。幼少期から現在に至るまで、自分が幾度となく耳にしてきたた言葉。時に私を優しく守ってくれたけれど、同時に、枷や呪いとなって私の行く手を阻んだ言葉。

私は、二人の兄を持つ末っ子長女として生まれました。幼いころから「女の子なんだからお手伝いしなさい」とか「女の子なのに、だらしないことしないの!」などと、耳にたこができるほど言われながら育てられてきました。そのたびに、「どうしてお兄ちゃんたちは良くて、私だけダメなの?」とふてくされたものです。でも今から思うと、兄たちは兄たちで「男の子なんだから泣かないの」とか、「男の子なんだからスポーツをがんばりなさい」とか言われて、釈然としない気持ちを抱えたこともあっただろうと思います。

両親(というか、主に母親)からの「女の子なんだから」攻撃は、大学受験時にもフルスイングで発動されました。

「女の子なんだから一人暮らしはせず、自宅から通える大学を選ぶべき」
「女の子なんだから浪人は避けるべき」

こうした発言の根底には「女の子に学歴は必要ない」という両親の本音が見え隠れしており、兄たちと比べて期待されていない自分を寂しく感じたものです。今振り返ると、親の言葉を受け入れることで、自分で自分の限界を作ってしまったんだなとも思えます。

さて私も母親になり、未熟ながら子育てをするようになりました。あれだけ自分の両親に反発してきたというのに、娘たちのふとした言動に、私の「女の子なんだから」センサーが無意識に反応してしまうのです。たとえば、娘が汚い言葉づかいをしたときとか、玄関で靴を揃えずに家に上がったときとか。あんなに自分を苦しめた「女の子なんだから」という言葉が、いとも簡単に喉元まで出かかります。これは、息子だったとしても注意すべき事柄だというのに。

早稲アカに通い始めて1年余り。通塾や勉強が日常になり、中学受験に対する情報にも随分と敏感に反応するようになってきました。娘も塾の先生やお友達からいろいろな話を聞き、それを私に教えてくれる中で、ハッとさせられることがよくあります。

「早稲田実業や慶應中等部で、男子に比べて女子の定員が少ないのは、なぜ?」

「先生が、『男子は受験直前まで伸びるけど、女子は今からコツコツやらないとダメだ』って言ってた」

「〇〇ちゃんはママから『女の子なんだし、ガツガツ勉強するよりも、大学附属校に入って大学までのんびり過ごしてほしい』って言われているんだって」

こうした話を聞くたびに、簡単に同調したりうやむやに流したりせず、娘の意見を聞き私の意見も伝え、一緒に考えていかなければならないなと感じます。お母さんは、女の子も男の子も、みんな受験直前まで伸びると思うよ。

さて先日、新5年生になって初めての組分けテストがありました。

算数>60
国語>55
理科>55
社会>55
4科目>60

珍しく全科目平均してよく得点できており、結果はCコース。今回は初めて、Sコース基準まであと数点、というCコース上位クラスに入りました。特に算数は解く楽しさが出てきたようで、宿題も進んでやるようになってきました。一方で、理科と社会はほぼ一夜漬け。短期記憶でやりくりしているので、すぐにポロポロとこぼれ落ちていきそうです。

この結果が塾に張り出されたとき、塾の先生が娘にこう言ったそう。

「〇〇(娘の名前)は、女子なのに算数が得意なんだな」

日々「女の子だから」という言葉が喉元に出かかると、それを封印し、自分を諫めている私としては「先生、軽々しく口にしないで!」という気持ちですが、帰宅した娘は「女子は国語が得意とか、男子は算数が得意とか言うけど、そうじゃない子も多いよね」と淡々としており、ちょっと救われた気持ちになりました。


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