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2度目のMBSR 8週間の旅を経て(1/3)

体調が悪かった。

2回目のMBSR(Mindfulness Based Stress Reduction)のトレーニングを開始した頃、とにかくとにかく、私は調子が悪かった。

1979年にジョン・カバットジン博士(マサチューセッツ大学)によって効果が報告されたMBSRでは、講義や、瞑想、心のエクササイズ、様々な実践を通じて、体験を深めます。ストレスを感じる出来事が起きている時に、自動的な反射に丁寧に注意をむけ、受容とともに意図した対応を選択していくスキルを段階的に体得していきます。マインドフルムーブメントやボディスキャン、瞑想などを積み重ねるとともに、日常生活の中でこそ、ストレスに感じる出来事への自分の習慣を観察・実践することが大切です。プログラム参加中は毎日の実践を意識して続ける時間を確保していただきます。

コロナ禍でのストレスと、子育てのストレスもあったけれど、それだけでない私の中に混沌としたぐるぐるとした思いが頭を回っていて、それが身体に不調として出たのだろうな、そんな不調だった。現に、大きな病院でありとあらゆる検査はしてもらったが、身体の数値は健康そのもので、ただただ最近行っていなかった健康診断に通院検査としていくことになった、そんな期間だった。

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2回目のMBSRチャレンジ

MBSRへのチャレンジは2回目で、以前も敬愛する岸本早苗さんのMBSRだった。さなえさんとの出会いはマインドフルネスとの出会いとほぼ同時期で、マインドフルネスだけでなく、セルフコンパッションのプログラム(MSC:Mindful Self-Compassion)の日本国内の第一人者でもある早苗さんにガイドしていただくMBSRは、瞑想のトレーニングようであり、と同時に思いやりのある、あたたかなものだ。

早苗さん、そしてマインドフルネスとの出会い

早苗さんとの出会いは、私がアフリカのウガンダに移住していた、たった1年間強の間にあった。

私はあの頃、今よりもはるかに「過去への後悔と、未来への不安」の中だけに生きていたと思う。息子との向き合い方、自分自身との向き合い方に悩み、苦しみ、とにかく目の前の事実や目の前で起こっていることに意識を向けられず、いつもいつもどこかへ逃げていた。ただ、目の前の状況から過去や未来へ逃げ続けることは、私にとっては逃走だったにもかかわらず、決して私を楽にはしてくれず、より苦しめていくだけだった。

そんなときに出会うことができたのが、マインドフルネス。ウガンダで出会ったインド人の友人に瞑想を勧められ、そこからたどり着くことができたのがマインドフルネスだった。"マインドフルネス"という単語はそれまでにも色んな所で見聞きしていたのだけど、それまで何度聞いても全く興味をそそられなかったのに、そのときその言葉に吸い寄せられたのは、その時が私がマインドフルネスと向き合うタイミングだったからなのだと思う。

出会いをきっかけに、私は色んなマインドフルネスに関する書籍を読み、実践した。その中の書籍の一つが、ジョン・カバット・ジンの「マインドフルネスストレス逓減法」。私にとっては今でも大切にしたい書籍の一つ。その書籍を手に取り、早苗さんとの素晴らしい出会いがさらに重なり、私は第1回目の早苗さんのMBSRをウガンダからZoomで受講することになる。

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MBSRとの出会い、早苗さんとの出会い(欠かすことのないMSCとの出会いもあった)、そしてそれにまつわる多くの出会いやトレーニングで、私は日々の生活の一瞬一瞬に少し気付きを取り戻し、過去や未来の中だけで生きていた自分を、なんとか今の時間と向き合う体制に少しずつだが変えることができるようになったと思う。特に息子との関係性においては、マインドフルネスとの出会いをきっかけに、大きな大きな変化があった。ただその日その時の彼の姿を見て、「いとおしい」と感じること、その瞬間を楽しむ気づきを持てるようになったのは、何にもかえることができない本当に本当にかけがえのないものだ。

2度目のMBSR

早苗さんが展開してくださっているMBSR(Mindfulness Based Stress Reduction)は8週間の継続プログラムだ。毎週決まった時間に決まったメンバーと集合し、マインドフルネスのガイドを受ける。しかし、マインドフルネスについて学び、実践するだけはでなく、その合間に共にその場に集まったメンバーと意見交換をしたりしながら、その体験を深めていく。そんなプログラム。

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今回2回目に受講するまでの私のMBSRに対するイメージはいわば「筋トレ」のようなものだった。やればやった分どんどんできるようになり、どんどんできるようになるとどんどん苦にならなくなり、またどんどんできるようになる。実際MBSRのホーム・プラクティス(トレーニングの際に出される、1週間個人で行う瞑想の宿題のようなもの)は毎週なかなかハードで、しかもそのハードルは少しずつ上がっていくように作られている。実際前回受講した時は、とにかくとにかく瞑想した。プラクティスは一切さぼらず、毎日決められたプラクティスを規則的にこなした。ボディスキャン、呼吸に意識を向ける瞑想、マインドフルネス・ムーブメント。どれも決められた通りこなすことで、どんどんマインドフルネスの時間が苦ではなくなっていった。だからMBSR=筋トレだ、と私の中では思っていた。

前回から4年ほど期間が空き、私自身マインドフルネスのトレーニングをだいぶさぼってしまうことが増え、久々にやるときの負荷がどんどん大きくなることを感じていた。そして日々の生活に追われ、気づきの瞬間が日々減っている現状に気づき、焦りを感じていた。

今回2度目のMBSRを再度受講しようと思ったきっかけは、ただもういちど集中的に筋トレのようにトレーニングを重ねて再度日々のマインドフルネスを楽に取り入れられるようなきっかけ作りをしよう、というものだったのだ。

しかし、今回そう思っていたようにはうまくはいかなかったのだ。

つづく

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