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どうして 392 なのか?


Porta Works 392 の 392 は“ミクニ”と呼びます。

ミクニとは、福井県の北西に位置する港町、三国町です。

三国にこだわることには理由があります。

ただ、コーヒーショップを開きたいのなら、ただ靴屋さんをやりたいのなら、もっと別の場所でも良かったのかもしれません。もちろん、コーヒーを淹れるのが大好きで、物を作るのが大好きで。好きな事を仕事にしたい。そういう気持ちもあります。


ただ、それ以上に私たちの原動力になっているのは、地元三国への感謝です。家族や友人も含め、私たちを育ててくれた、三国へのありがとうです。

私たちが地元を離れて働いている間も、変わらずこの町で頑張り続けている人たちが居て、変わらない景色があって。

大好きなこの町を守り続けている人たちが居る。

私たちにも何かできないか。



いろいろなことが変化していきます。もっとスピードは加速して色々なことが起きていく時代。

人も、仕事も、物の価値も。

でも変わらずにそこにあってほしいものも沢山あります。三国の町並みも、壮大な景色も、美味しい食べ物も...



東京で働いているとき、『故郷があるっていいね』とよく言われました。帰る場所がある。待っていてくれる人達が居ること。

どうしようもなく辛いとき、たまたまSNSで見かけた三国の夕日の写真に、胸がいっぱいになることがありました。

ここで生まれ育ったからそう思うのか、観光に来た人にはどう映るのか、わかりませんが、何か人の心を動かすような景色がある、食べ物がある、人が居る。三国はそんな町だと思います。


でも、ただ“地元を守りたい” ということだけでは、なかなか難しさも感じます。

頑なに、なにも変えないこと。というのは、守っているようで少しずつ少しずつ衰退していくことのように思います。

時代に合わせて柔軟に変化し続けているからこそ、長く守られていくものだと思うからです。

世代を超えて、伝え続けていくこと。常に考え続けていくこと。

これは、内側から見ているだけでは限界があると感じています。外から見つめる事で見えるものが沢山あります。まだ知らないことを知る、気づくこと。内側の人と外側の人がうまく繋がって、交わっていくことが大事なんだと思います。


もちろんたくさんの人が注目して、三国に来てくれて、栄えていくこと。これも大切なことかもしれないのですが

まずは周りの人達が幸せであること。三国の人たちが豊かに生きていてほしい。ポルタはそれを目指しています。

そんな場所に共感した人たちが外からも少しずつ集まってきて、三国らしさを築いていけることがいいのではないかと思います。


あくまでも、個人事業なので出来ることには限りがあります。経済的にも社会的にもそんな大それたことはできません。

でも、自分たちなりに最大限、地元に恩返しできることの一つが今行動していることであると思っています。

私たちが、仕事としていること(珈琲、革)は、たまたま見つけた自分らしく気持ちを発信できる ひとつのツールです。そこに込める想いがあります。

そして、こういう生き方、働き方もある、と伝えるための一つの手段です。

そういう想いで、まずは空間を作っています。

いってらっしゃい、

おかえりなさい、

いらっしゃい、

ありがとう。

そうやって、誰かの背中を押したりお見送りしたり、帰ってきたときにお土産話をたくさん聞かせてもらえたり、三国の魅力が伝わったり、大好きな三国の人たちに、この土地に、ありがとうと伝え続けられる場所でありたいと思っています。

ポルタが、柔軟な入口を創る空間であると同時に、ここで新たに、人と人、人とモノ、人とコトが繋がっていき多くの人が豊かになること。


誰かが何かを始める日も、決意を新たにする日も、なんでもない日も。ポルタに出入りしたその日が少しでも、楽しくなるように。

どーんと広がる三国の景色と共に、昔からあるものを新しい形で発信していこうと思います。


392にこだわる理由。 それは三国が大好きだからです。



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