PhantasMaiden 4-1話
――自らの領域を出発しておよそ二時間。
さらに言えば、鬱蒼とした森の中に足を踏み入れて三十分。分け入れば分け入るほどに光の射さぬ場所、あたりはまるで夜のように薄暗かった。
メアリーとの戦いの後、一度自らの領域に戻ったジャンヌ、エミリアの二人はその後、それぞれが別の領域を目指していた。
「……そろそろか」
エミリアは小さく呟いた。もうじきたどり着くだろう。導かれるように歩を進めるごと、何かが近づいてくるのを彼女ははっきり感じ取っていた。
木々の間を吹き抜ける風が髪を揺らす。
エ