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破滅の碧色 → 時代の終焉
大聖堂での爆発、轟音に気付いたのは、警備の兵たちだけでは無かった。
世界樹の森より先、不可侵エリアの向こうからネルミラを監視し続けていたガーランド帝国。彼らもまた昨今の騒動には危険を感じていたし、世界樹が枯れ落ちたことにも真っ先に気が付いていた。
「これはまさか、ネルミラで暴動か……?」
監視兵から連絡を受けたガーランド帝国騎士団長は、すぐさま国王に進撃を進言しに行った。内乱、暴動、テロ。国が騒つ
碧翠の矢 ⇔ 紅橙の剣
緑が生い茂る穏やかな小道は、そよぐ風にサワサワと優しい音を立てていた。
ついほんの10分ほど前に、数人の無関係な者たちを殺め、建物を破壊し、父親だと尊敬していたはずの人物さえ殺してしまった。
空を見上げながら、不思議とジルの気持ちは落ち着いていた。
「これは現実なのか?本当に、ボクが彼らを、父を殺したのか……?」
信じがたい事態に、現実感を失った彼の脳内はふわふわと浮ついていた。部屋に戻り、一晩過
ジル ← 神を信じぬ者
朝陽がまだ昇り切っていない時間から、ジルはもう目を覚ましていた。いや、正確に言うと完徹したまま本を読み耽っていた。
朝陽が眩く大聖堂を照らし始めると、その光に反応して鐘が鳴り始める。その音を耳にしてし、ようやく彼は自分がまた睡眠よりも読書を優先してしまったことを知る。
「しまった、またやってしまった」
大急ぎで本を片付けると、足早に階段を駆け上がる。そのまま渡り廊下を駆け抜け、しかし大聖堂に入って
神を信じる友 ← ロー
数百冊くらいの本を分類し終えて、ジルはようやく一息付くことにした。
「ああ…、知らない間に昼を過ぎていたのか」
昼食を忘れることなんて、ジルには日常茶飯事だった。活字に囲まれて過ごしていると、本当に時間を忘れてしまう。まるで時の扉を閉ざし、無限の檻の中に逃げ込んだような錯覚を覚える。
立ち上がると、少し立ち眩みがした。もともとからあまり身体の強い方ではないジルは、華奢な身体付きはまるで少女のように
親友の恋 《作戦会議》
「へい!おまちっ」
ダンラークの定食屋、夜の人気定食はデデン肉の丸焼き定食だ。ボリュームはかなりあるが、値段は500グラスとかなり安い。実際、質の良い肉を他で食べようとすれば、1,000〜1,200グラスはする。
「うん、まあ、腹は満たされるかな」
「だろ?ちょっと話すくらいなら、ココがやっぱり一番だぜ」
肉を頬張りながら、ローが言った。確かに夕食としては少し豪快過ぎて、まるで肉体労働後の昼食のよ
親友の恋 《神を越えろ》
ラプラックス学術棟には、様々な学問を研究する為の設備や部屋が整っている。物理学、宗教学、哲学、化学、生物学。実に幅広く、多種多様な学問が研究されていた。
その中で、彼女は歴史学、特に神話の研究に没頭していた。
「名前はメイン・キティ。歳は俺たちより少し上で十七歳、身長は153cmのちょっと小さめ。性格はちょっとキツい所もあったりするが、基本的には優しい。姉が二人いるらしいが、別の地域に住んでいるか
それぞれの成長 ⇔ 過去の記憶
空想小説『マグネの魔界探索記』より抜粋ー
「我々は大きな河に出会った。
後ろからは巨大なジネドラゴンが追い掛けてきていたが、私はまったく慌てたりはしなかった。
指輪をかざし、河に向けて魔法を放つ。氷の矢が何百と束ねて放たれ、河を渡る橋を作り上げた。」
魔法記外伝『トーンズ魔術列車』より抜粋ー
「魔術列車は止まらない。
その心臓部に埋め込まれた魔法石により、雷の魔力が尽きるまで走り続けるのだ。」