見知らぬ誰かが自分を嫌っていると思うなら、黙れ。それが嫌なら、言え。
2月15日の「ほぼ日刊イトイ新聞」のコラムは、人が好かれているとか嫌われているとかの話。そのコラムの最後は次のように締めくくられていて、まさに今の時代を反映している言葉で印象的でした。
インターネット以後は、特別に有名な人でなくても、
「見ず知らずの人が、じぶんに悪意を抱いている」
ということを知ってしまうようになった。
(中略)
こういう時代なりの健康なこころの持ち方を、
あらたに勉強する必要が、ふつうの人にもありそうだな。
コラムを書いた糸井重里さんは「こういう時代なりの健康なこころの持ち方」の答えは書いていませんでしたが、今、ぼくはどうやってインターネットと付き合っているのかを考えてみました。
答えはいたってシンプルです。
波風を立てたくないなら、何も言わないで見てるだけ。
伝えたいことがあるなら、自分の言葉で発信する。
ぼくがこのように考えた理由は、自分自身の経験にありました。
ぼくはブログを2006年から運営していて、かれこれ10年になります。最初は日記のように自分で書いては、一人でそれを楽しんで、という状態でした。
ところが、Twitter や Facebook などを始めたり、イベントに出たりして、露出が少しずつ増えてきたことで、人に見られることを意識せざるをえなくなっていきました。
KYになりたくない
だんだんと人目に触れてくると、驚くべきことに、めちゃくちゃ空気を読んで発言をしている自分がいました。差し障りのない発言が増えました。たぶん、見る人全員にいい顔をしたかったのでしょう。誰にも嫌われたくなかったのでしょう。
こんな風になってしまったのは、自分に対するネガティヴなコメントを見たからでした。ブログに対するコメント。2ちゃんねるの書き込み。Twitter でのつぶやき。正直、精神的にも肉体的にもまいったこともありました。
見たくなかったものを見てしまった感じ。
会ったことのない見知らぬ人の目が怖くなった瞬間。
今でも忘れられません。そのときから無意識に無難な道を歩むようになりました。
だから、怖い体験をしたくなければ、黙っていればいいんです。人目に触れないように静かに生きていけばいいんです。そうすれば、悪く書かれることはありませんし、「嫌われているかも」と思う必要もありません。
でも、ぼくはそんな自分に嫌気がさしました。
言いたいことも言えないってつまらない
ブログを始めたのも、Twitter などでも意見を言うようになったのも、イベントなどで人前で話すようになったのも、自分の正直な思いを伝えたかったからです。
なんで自分のやりたいことを我慢してるの?
ぼくは自分に問いかけました。そして、みんなにいい顔がしたいから、という自分に腹が立ちました。
だから、今は言いたいことを言って、生きたいように生きています。すると、気持ちがすっきりするんですよね。
もちろん、言いたいことを言えば、それだけネガティヴなコメントをいただくこともあります。ですが、受け取り方が変わりました。
自分が言いたかったことに対する意見をくれたんだ
こういう見方もあったんだ
嫌な気持ちになる瞬間がないと言えば嘘になりますが、だいぶ楽になったように思います。この瞬間を少し味わうよりも、自分を偽っているほうがよっぽどストレスだったんですね。
言いたいことを言わないのは自分のせいだ
今は、言いたいことを言える環境があります。黙って過ごすのも、その環境を利用するのも自分次第です。
もし言いたいことがあるのに、その環境を利用していないのは自分以外に他なりませんよね。「言わない」という選択をしているわけですから。
もしかすると「精神的に強いから言えるんだ」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。でも、今までに書いたとおり、ネガティヴなコメントにやられるような弱い心の持ち主なんです。
それでも今のように生きていけるのは、見知らぬ人のことを恐れるよりも、自分に嘘をつくほうが怖いから。
みなさんはどちらの選択肢を取って生きていくのでしょうか? 恐れずに「言う」ことを一度でもやってみると、考え方がガラッと変わると思います。新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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渡邉 淳/porpor(英語学習コンシェルジュ)
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