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認知症サポーター養成講座に参加しました。

おはようございます。9月は「世界アルツハイマー」月間です。
私の住む地域でも認知症を正しく理解するための講座やイベント等が開かれ、参加してきました。


認知症を理解するために

講義をして頂いたのは、脳神経内科のお医者さん。
十数年、認知症の患者さんを見てきた方です。

全国で高齢化率は29%。650万人もの患者さんがいるそうです。
2025年に団塊の世代(第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代)すべてが75歳以上になり2035年からピークに達し750~850万人の患者さんになるとの事です。

65~70歳の方の認知症患者さんは少なく、80歳以上から増え3人に1人が認知症になります。高齢になるほど誰でもなるうる病気です。

認知症とは、脳の病気です。

認知症の定義は「いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知機能障害があるため社会・日常生活に支障をきたすようになった状態です。」
認知機能の中でも記憶障害が中心で早期に症状がでる事が多いそうです。

認知症と加齢による記憶力の低下は区別するべきで、加齢によるものは意識障害やせん妄状態(ボーッとしたり、つじつまの合わない話をしたりする状態)、うつ状態などです。
加齢による物忘れはヒントがあれば思い出せますが、認知症の場合は体験したこと自体を忘れてしまうので、ヒントがあっても思い出せません。

認知機能とは、脳の機能です。

脳の機能の中に記憶があり、その中に即時記憶/短期記憶(数分前の記憶)、近時記憶、遠隔記憶などがあります。
認知症の症状として多いのが短期記憶(数分前の記憶)。昔の事は覚えているが、さっき食べた食事のことは忘れてしまうなどの記憶障害です。
記憶障害とは、物忘れの症状を起こすことで、非陳述記憶(知識・常識・エピソードなどの言葉で表現できない記憶)と手続き記憶(自転車に乗るなど体で覚えたこと)があり、記憶した時間で表すと即時記憶が数十秒以内・近時記憶が数分から数日とこの二つが短期記憶。遠隔記憶は数週間から週十年。これを長期記憶と呼びます。
即時記憶は海馬が司っていて、認知症はアミロイド(タンパク質)が溜まって、細胞を死滅させる。その最初の箇所が海馬なので、短期記憶障害が早期に発症するそうです。

認知症の症状とは

中核症状周辺症状があります。中核症状とは認知機能障害で、周辺症状とは興奮や暴力・妄想などです。
中核症状だけであれば、困らないわけではありませんが、何とかなるレベルです。周辺症状が現れるとかなり大変になります。
介護者への暴力や暴言など、体力的にもそうですがメンタルが相当参ってしまいます。
中核障害の中には■記憶障害■実行機能障害(料理や洗濯など)■見当識障害(時間や場所人などがわからない)■理解・判断力障害(理解力の低下、混乱)があり、周辺症状には■幻覚■妄想■徘徊■不安・焦燥感■うつ■せん妄■暴言・暴力■性的行為■興奮・怒り■抵抗・拒否
などがあります。
徘徊は認知症患者さんの10%位で、妄想(お金を盗まれた!など)が多く、些細な事で怒りやすくなるそうです。

認知症の主な原因疾患

原因としては主に三種類あります。血管性認知症でくも膜下出血などの病気から発症したりするものと、神経変性疾患がありこの中にアルツハイマー型認知症は含まれます。そのほかの原因として甲状腺機能低下などの内分泌性疾患や感染症疾患、腫瘍や外傷性そのほかと分けられます。
毎年、画像診断をすることを進めていました。
認知症の多くは「アルツハイマー型認知症」で全体の約75%になります。

アルツハイマー型認知症の特徴

まずは記憶障害がでる(短期記憶・部分的)。そして進行が速い。初期は気づかない事が多く、生活に支障が出て初めて気づきます。病識がない状態になると受信を嫌がり、抵抗することが多いです。この病識(自覚症状がない)が無い状態は自己肯定をする(自分は悪くない)ので取り繕ったりします。会話をしていても正常に思えてしまいます。
気づきづらく、気づいたときは進行が速いので家族は戸惑う事がおおくなりそうです。
日常生活での特徴でいえば、料理や洗濯・掃除などをしない出来ない。同じ食品を買う。薬の管理ができす飲まなくなる。
感情面では、こだわりが強い(運転できる!など)、意欲の低下、怒りっぽい、被害妄想など。
行動や言動では認識が周囲と違ってくる、暑さへの感覚が鈍くなる。(寒さは感じる)などです。指標にするといいと思います。

それぞれの役割

現在、認知症の薬は数種類出ていますが、どれも治すのではなく、進行を遅らせるものでその中でも効果があるのは20%位の人だそうです。
ほぼ、効かないと思った方が良いようです。動物実験では上手くいっても人には効かない、または副作用が強いなどで、相当複雑で難しいようです。薬にたよるのは相当後の事になりそうなので、人のつながりで何とか乗り切るようにしたいです。
講師のお医者さんはかかりつけ医の役割として■家族に認知症の概念を説明・治療・介護の手続きを伝える■薬物療法の効果や周辺症状への対応■非薬物療法の効果をあげています。薬物ではなく、早くから脳に刺激を与える事でケアができると話していました。認知症でなくても脳への刺激は活性化ややる気にもつながるので、意識したいところです。

家族・介護者へは早期にデイケアーなど介護サービスの利用を促し、介護の負担を軽減するよう伝えるそうです。いつ終わるかもわからない介護生活は長期に及ぶこともあるので出来るだけ早く利用するなど、介護者の心のケアがとても重要です。

ケアマネージャーさんの役割は大きく、主治医との連携や患者さんや家族を孤立させない事が重要との事です。患者さんへの対応の仕方で周辺症状が変わってくるそうです。本人を尊重すると怒りがすぐ収まったり、穏やかになるそうです。

周辺症状への対応は本人を否定しない。同調し安心感を与える。怒りや暴力は本人の防衛反応なので介護者や周囲の理解が必要との事です。
認知症への差別もあると話していました。”認知症なんだからもう治療しなくてもいいでしょう”など。認知症は高齢になると3人に1人はなる病気です。私もあなたもなる可能性がたかい。だれでもなる当たり前の病気です。正しい認識を持って差別がないようにしてほしいと。

まとめ

定員50名に対し応募が多数だったため80名に増やして開講されました。この数字にもびっくりしました。私が住んでいる地域は比較的認知症対策が進んでいて、うまく循環しているそうです。一般の方々の関心が高いようです。
超高齢化を迎えるにあたり、他人ごとではない事を改めて実感しました。
母は認知症ではありませんでしたが、私はなるかもしれません。今回得た知識で自分がその傾向を感じ取れるかはわかりませんが、自覚出来たときは病院へ行こと思います。そう思ってこられた方も多いかもしれません。
訪問看護をしている人、デイサービスの会社に勤めている人などたくさんの人が集まっていました。この地域は高齢者にとっては安心な場所なんだなと思い、ホスピタリティのあるかたの多さにも感心しました。

大変勉強になりました。ボランティア団体のかたの寸劇も想像以上に上手でわかりやすかったです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どなたかのお役に立てます様に。


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