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「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にドハマりした

今年もノーベル文学賞を授与されませんでした。

村上春樹さん。

村上さんの存在を知ったのは、高校1年生の時でした。

クラスの子が「TVピープル」だとか「パン屋再襲撃」だとか、短編ものを読んでたのを見て、「何それ?」って聞いたのがきっかけ。

1988年の春ころだったような。

その後、「ノルウェイの森」が一部の級友に絶賛されているのを、風の噂で耳にしたのが翌年の高2の頃でしたね。

今では某銀行の支店長に納まっているそのテニスボーイは、部活の顧問だった数学教師が絶賛していると言って、その本を貸してくれました。

村上さんの美しい文章と、村上さんの描く世界は、ホットドッグプレスでしか知り得なかった、憧れの東京の象徴のように感じられたものです。

高校生だった僕は、ノルウェイの森が早稲田大学第一文学部に通う学生(村上さん自身の投影)の話だと知り、早稲田の一文を目指して猛勉強を始めたのです。

好きこそものの上手なれ。

文系科目の成績は鰻登りに急上昇。学年トップレベルになりましたが、早稲田には不合格。滑り止めの中大文学部へ進学することになりました。

進学当初は落胆しかなかったのですが、すぐに立ち直り文学部ライフを満喫し始めました。大学でも村上ファンは居て、「羊をめぐる冒険」「ダンスダンスダンス」「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」など、初期の作品を読み漁りました。

村上さんの描く主人公たちは、団塊の世代の青春なんだろうけど、1990年代初頭の大学生にとってリアリティのある存在でした。大学4年のときに「ねじ巻き鳥」シリーズが刊行され始め、大江健三郎さんがノーベル文学賞を受賞したりで、文学部にいる自分も文学人みたいな気持ちに酔ってました。

当時は「君の名は」「天気の子」で勇名を馳せることになる、新海誠監督も同じ文学部の一学年後輩として、中大文学部に在籍していたようですが、学科が違うので面識はありませんでした。サークル棟ですれ違ったり、教養課程の大教室で同じ授業を受講していた可能性も、ないこともないでしょうが。

マンモス校だもんで。。。よくわかりません。

「君の名は」見ました。

なんとも言えない感動を与えてくれましたね。

新海誠さんが村上春樹さんの作品でイチオシなのが、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だそうで、今、読んでる最中の僕もドハマりしております。

1985年作品ってことは、僕が中学校1年のころの作品なんだけど、今読んでも全く古さを感じません。映画「インセプション」を彷彿とさせる、潜在意識の世界ないしは、パラレルワールドの世界観。疑似現実というのでしょうか、現実の世界にそっくりでありながら、架空の世界を描く手法。すばらしいです。「君の名は」にも通じるような感想を持ちました。

僕の好きなユングや易経、荘子なんかともリンクさせながら、村上さんの文章を味わっています。




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