学問を志す者は謙虚でなくてはならない

日々,先行研究に当たるたびに,自分が知らないこと,及び思ってもみなかったところに答えを求める日々があり,つくづくタイトルのことを思い知る。そのことを書こうと思った。

経営学がどのような時代的要請によって誕生したのかは井原先生の「テキスト経営学」に詳しいので参考にされたいが,言及されているような時代的要請を踏まえれば,経営学の狙わんとするところはその学際性にある。

それは自然のことである。なぜなら,企業というのはインプット・スループット・アウトプットを繰り返す存在であり,その全てに人間が関与するからである。人間が関与するということは,社会科学の発展とともに経営学も発展を遂げているということと同義である。無論,その他の学問も絶えず関連している。従って,経営学が対象とする範囲がいかに広いかということは,少し勉強すれば分かることである。

そして,社会との関係にまで踏み込む必要がある。社会保障制度と民間企業,及びインフォーマルセクタとの関係は常に考えなければならない。家族制度も同様に関連している。補完関係にあるものをどう捉えるかも重要である。

経営学の分野にも,まだ答えの出ていない問いはたくさんある。そうした問いを見つけ,日夜研究している諸先生方がいるわけであり,また,実務の世界においても多種多様な市場で多様なバックグラウンドを持つ経営者が日々奮闘しているわけである。

経営学とは,おそらく人間が発展し続ける限り,永遠に分かったと言えない学問であると考えている。人や,視点によって考えが変わる。それは,経営学が必然的に持つ学際性が故にである。それが分かると,謙虚さが大切であることを認識するだろう。

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