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J.S.バッハと蕎麦 ~ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ~ 

J.S.バッハ(1685~1750)は生前は作曲家としてよりも演奏家・オルガニストとして有名だったそうです。それは各地の教会に新しく設置されたオルガンの検定を行っていたことからも知ることができます。またオルガンの腕前はもちろんのこと、その他の楽器の演奏も優れており、1703年にワイマールの宮廷に就職したのもヴァイオリン、あるいはヴィオラ奏者としてであったそうです。

現代ではバロック時代のみならず、音楽史に燦然と輝く大作曲として君臨しています。

今回は彼のヴァイオリンとチェンバロのためのソナタを取り上げてみます。

J.S.バッハのヴァイオリン作品と言えば『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』が特に有名ですが、本作も、それと並び称される重要な作品として知られています。

こちらの作品の特徴はチェンバロが通奏低音ではなくオブリガートとして役割を与えられていることです。J.S.バッハが生きたバロック時代は、チェンバロは通奏低音として即興で伴奏の役割を果たすことが一般的でした。一方オブリガートとは楽譜に全て書き記されている、というような意味になります。バッハ右手と左手を独立した声部として扱い、3声部による「トリオ・ソナタ」を作ったのです。また、時には重音を用いた和音で伴奏を付けるなど、バロック以降のスタイルを予感させる書法もあります。そのため、この作品集は近代的な二重ソナタへの橋渡しをしているとも言えます。

「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」は全6曲からなり、1717年から1723年のケーテン時代の作品とされています。その中でも1719年~22年の間の作品だと推察することが出来るようです。

全6曲のうち5曲が教会ソナタ形式の伝統に従った(緩・急・緩・急)の4楽章によって構成されており、「バロック音楽の総括者」と称されるバッハらしい多彩な作品集になっています。

素晴らしい作品をぜひ聴いてみて下さい。

(参考:ネットや解説書)

以上です。