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「増量でお待ちしています」

パクリタキセルという抗がん剤の一回目、血圧が急降下する事態になった。

目の前が真っ暗になりながらも何とかナースコールを押せたので大ごとにならず、そのまま治療も続けられた。

このパクリタキセルという薬はアルコールで薄めて点滴するらしくて、このアルコールが原因じゃないかと。

治療を始める前にアルコールのアレルギー検査で反応が出なかったし、お酒を飲んでもアレルギーが出ることはなかったのだけど。。。

???  ナンデ  ???

以来、アルコール禁止になって、ブドウ糖で薄められたものを点滴することになった。

薬剤をかなり薄める必要があるからなのか、ブドウ糖だからなのかは分からないけど、点滴の量が倍になってしまった。

その上、安全に配慮してか点滴のスピードが劇的に遅い設定で終わるまで6時間という長さ!

病院に行ってすぐに点滴できるものではなくて、血液検査をして主治医のOKが出てからの6時間なので丸一日かかる大仕事。

副作用的には、FECとは比べもんにならないくらい軽かったけど、点滴の6時間は辛い。

この治療の頃には気持ちも随分、落ち着いてきていたけど、まだ争っている部分もあった時期。

そんな頃の6時間なので、くさくさしてる日もあって。。。

そんな時、担当看護師さんから、「増量でお待ちしてますー笑」と、さらりと言われた言葉が、とっても心地よくて軽い気持ちになれた。

そうだ。治療にはユーモアだって必要だ!



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