難しいけど大事な『改憲』の話⑤　緊急事態条項ってなに？

憲法について、特に自民党の憲法草案について、幾つか動画を撮ってYouTube配信してきた。
友人の田村さんが、昼間は仕事をし休みの日は畑仕事をしたりと忙しい生活の中でも、早朝起きて時間を作り、むちゃくちゃ勉強して、スライドを作って説明してくれた。いろんな記事のシェアもしてくれた。

いよいよその動画も最後とすることにした。
これはまだ知らないでいる人に向けて、興味をもってもらいたいと始めた動画撮影。
少なくとも私たち出演者の友人知人のどれだけかは見てくれただろう。
これをキッカケに関心を持って自分でも調べてもらえたら嬉しい。
あるいは誰か人と話をしてくれたらいいなあと思う。

最後は一番の肝である『緊急事態条項』と、今まで話をしてきた内容以外のことについて話をした。

緊急事態という言葉を聞くと、例のコロナが始まった時の「緊急事態宣言」を思い出す人が多いだろう。
コロナ感染症が広まった～～！！
これは緊急事態だ～～！！
外出自粛しろ～～！！
新しい生活様式だ～～！！
マスクしろ～！！
ワクチン打て～～！！

私も最初はビビったけどね。
周りを見回したら、誰も感染してないし、そのうち感染者が出始めたけど、バタバタ死んでいくわけでもないし。
何が「緊急事態」なのか？？？って思ったんだ。

コロナよりずっとずっと怖いのは、「人」なのだと思った。
まあ、これを書くと横道に入り込んでしまうので、別記事でね。

さて、自民党が提案している憲法草案は、基本的人権が軽くなるとか防衛費が数倍になるとか、他にもあれこれ問題点があるのだけど、その中でも本丸が「緊急事態条項」だと思う。
緊急事態というところが同じなので、似たようなものじゃない？と勘違いしている人がいるようだが、大きく違う！
まるで違う！

「緊急事態」という言葉に抵抗感を無くすために、コロナでさんざん使ってきたんじゃないか？とさえ思う。

では、緊急事態条項とは何なのか？何が問題なのか？
それを動画で話をしているので、ぜひ聴いてほしい。

でも、動画を聴く時間がないとか、文章読むほうが好きという人もいるので、箇条書きにしてみる。

＊緊急事態条項とは、災害やテロなどが起きた時は迅速に対応しなければならないので、政府に権限を全部集めようという話。

＊災害の時は「災害対策基本法」、テロ発生時は「国民保護法」「事態対処法」、内戦が起きた時は「自衛隊法」「国民保護法」、感染症まん延時は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」「感染症法」などの既にある法律で十分に対応できる。

＊戦争が起きた時は、というより、外交交渉で戦争を回避するべき。

＊緊急時、被災地から離れた政府の権限より、身近な地方自治体が主体とやって対応する方が実質的だと言える。

＊政府が緊急事態だと宣言したら、次のような状態になる可能性がある。
・国会は開かずに、内閣決議で決める。しかも無期。
・選挙は行わないかも？
・国民の財産は国のために没収するかも？
・戦争するために徴兵制にするかも？
・政府批判してはダメ！　逮捕するかも？
・報道規制するかも？
・地方自治は無視するかも？

これって独裁国家になるということ。

いやいや、いきなりは改憲しないでしょ？という声も聞こえるけれど、
憲法審査会で議論して、３分の２以上の賛成があれば、国民投票になってしまう。その３分の２が自民党ですでに超えているし、国民投票も有効投票の５０％以上の賛成で決まってしまう。
ということは、投票率が低ければ、国民の３分の１以下、４分の１以下の賛成であっても改憲されてしまうということ。

そして、国民投票の宣伝ができるので、資金力があって面白いCMをバンバン流せる政党が有利になるという。
人気のあるタレントや有名人が「憲法は改正すべきだね」とか「感染症とかテロとかあったら、緊急事態条項が必要だと思います」とか言ったら、知らない国民はそうだ！とか思っちゃう。

だから、眠っている人を叩き起こさないと！と思って、こんな文章を書いているし、動画を撮って配信したりしている。

眠っている人とは？
①政治に関心がない人。その中には日々の生活に追われ過ぎて何も考えられない人もいるだろうし、特に困ることもないから今のままで良いと思っている人もいるだろう。あるいは難しいからと敬遠している人もいるかもしれない。
②何をしても変わらないと諦めきっている人。関心はあるけど、誰がやったって変わらないでしょとか、今までに何かしらやったけど全然ダメだったからもう諦めちゃったという人。
③関心はあるけど、今の状況を知らないから危機感のない人。

そんな人々に向けて、このままじゃあ日本は益々ダメになるよ、幸せには暮らせなくなるよ、政治に関心を持とう、憲法について知ろう、国民投票に行こうと伝えたい。

こんな文章を書いてどこまで伝わるのか？果たしてちゃんと目覚めさせることができるのか？まったく未知数だけど、やれそうなことは何でもやってみるしかない。

１２月３日～５日に『檻の中のライオン』という憲法講演会を企画している。
３日午前は恵那市　午後は中津川市、
４日夜は、塾関係者（一般の宣伝はしない）
５日は昼間と夜下呂市で。

講師の楾大樹弁護士は全国を周って講演会をしているので、ぜひ近くの講演会を見つけて行ってほしい。