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「ドイツ縦断ひとり旅」(8)ネルトリンゲン  さようなら隕石の街

2019年9月14日(土)晴れ

18:30 、 ゲオルク教会の前のベンチで夕食をとることにした。パン1個0・59ユーロ、カットフルーツの詰め合わせ 1・89ユーロ、そして、水1・5ℓが0・19ユーロという安さ。合計2・67ユーロ(320円)で最高の夕食。嬉しー! やっぱ、スーパーは庶民の味方だわ。

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食事を終えて、もう一度、城壁を歩こうと決めた。1周はしなかったけれど、かなり歩いた。この街が大好きになったから。名残を惜しみつつ、ゆっくりと眺めたかったから。

ネルトリンゲンではブタの彫像があちこちに見られる。豚は「街の守り神」であり、「幸運の象徴」だそうだ。15世紀の話なんだけど、豚が門から逃げ出し大騒ぎになったことで、敵の夜襲から街を救ったんだって。

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夕陽が次第に傾いていく。暗くなる前にホテルに帰らなきゃ。

夜、トイレの水が止まらないので、髪を乾かした後、レセプションに言いに行った。「連絡した後、係を差し向けます。」とのこと。しばらくして、ノックの音。ものすごくデッカイ男の人がやってきた。見事に水は止まった。「ダンケシェン」と言うと、彼は立ち去りつつ、” Good  night.." と言った。この人は日本人に会ったことがあるのかな?と考えたりした。今夜はもう葉書は書かない。22:30、就寝。

2019年9月15日(日) 晴れ

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今朝も目覚まし時計より早く起きた。カリヨンの音色で心地よく。 支度をして食堂へ下りていく。足はもう痛くない。 今までで一番広い食堂。8時から9時まで、ゆっくりと朝食をとった。 さあ、荷造りだ。

10:00、チェックアウト。ここでも「マスターカードかVISAでないと・・・」と言われた。ホテル・ユーファ、1泊 86・90ユーロ(1万428円) JCBよ、もう少し頑張って知名度を上げよう。

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レープジンガー門を背景に、通りすがりの御婦人に写真を撮ってもらった。昨日見つけた散歩道を行く。愛犬とお散歩の御夫婦。お孫さんの自転車の練習に付き合っているおばあちゃま。ジョギングの人も数人。観光客は通らない道だろうけど、私にも「グーテンモルゲン」と挨拶してくれる。

この道、やはり近道だった。もう駅前大通り。郵便局の前で、スーツケースと悪戦苦闘していたら、向こうからやってきたガッチリした体格の青年が、”Help  you?" と訊いてくれたので、お願いした。彼は持ち手が壊れているのに気付き、何と、スーツケースを肩に担ぎ歩き出した。す、すごい怪力! 現代のジークフリートか! バスターミナルの前で別れた。握手とハグをした。写真も撮った。 やっぱり、ドイツ最高の「親切賞」は、ネルトリンゲン市民だ!!

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さて、8番バス停のベンチは日陰で涼しいけれど、これから2時間近く待たなければならない。せっかく辿り着いたのだから、もう城壁の中へは戻りたくない。少し離れたベンチでおしゃべりしていた黒ずくめのオートバイ軍団が動き出した。この人達も国中を巡っているのかもね。

12時台のバスが13時を過ぎても来ない。変だなと思って、もう一度、時刻表を見直すと、日曜日は15:36まで1本もない。ガクゼンとする。今から更に2時間半も待たなければならないなんて。ふうーっ。無人駅だから尋ねることもできない。列車に乗って、どこかの駅で降りて、ライゼカルテをもらって、ディンケルスビュールに向かおう。バスは諦めよう。

そう思ってホームに行くと、お揃いのTシャツ姿のおばさま方が20人くらい集合していて、すごくにぎやか。電車がきたので、とりあえず乗った。乗った後で、壁に貼ってある路線図を見ると、単線の田舎路線で、ある区間を行ったり来たりしていて、ネルトリンゲンはその途中の駅だということが分かった。それに、どうやら、どの駅も無人らしいということも。4つ目で、降りて戻ろうと決めた。ネルトリンゲン駅に近づくと、ゲオルク教会とダニエルの塔が見えてきて、ホッとした。時間を潰すためと、トイレを使うためだけに電車に乗ったことになる。でも、足や腕は痛くなっても、心はちっとも疲れていない。

やっと、バスが来た。15:36、発車!

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