【読書感想】仮説思考

内田和成『仮説思考』東洋経済新報社、2006.の感想です。姉からいくつか実用書を借りたのですが、私が読んだものは2019年2月15日27刷発行だそうです。すごいこう、名著感。至極どうでもいいのですが、サブタイトルっぽく書かれている「BCG流 問題発見・解決の発想法」が奥付のタイトルの部分では省略されていてちょっとウケました。

帯に「仮説から始めれば作業量は激減する!」と書いており、内容も実際「仮説思考ってすごいよ」ということを語り、仮説思考の方法、そして実践例を提示しています。私は、読んでいる間に安宅和人さんの『ISSUE DRIVEN』で仮説の話読んだな…、と思って目次を見返してきました、本書の約200ページの内容に対して非常にざっくりではありますが書いてありました。そもそも現在では『仮説思考』を読んだ方がそれを含めて仕事の効率化等を説いた本が出回っていると思いますので、購入して手元におくかどうかは自身の本棚と相談すると良いかと思われます。私は買わないだろうな、と思いましたが内容自体は良いです。

序章と第一章では、当時の常識であった、情報を集めて網羅的に考える、という思考方法よりも仮説思考の方がより良い、それは何故か、仮説思考の弱点とも言える状況でも網羅的方法より優れている理由を説明しています。仮説思考とはなんぞやという方への本編は第二章、第三章、第四章で、仮説を立てその検証をするという仮説思考の基本、そもそもどのように仮説を立てるか、そしてどのように検証を行うか、が説明されています。第五章は、それまでの内容(理論)を踏まえた上で実践に移そうという話になっています、実践試行を繰り返して仮説思考力を高めよう!という話ですね。

非常にざっくりですが大枠はそんな感じです。個人的には「PDCAサイクル」とすごくよく似てるな、と思いました。PDCAサイクルというのはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)を繰り返す継続的な改善手法のことを指します。仮説思考は、仮説をたてて検証し、検証が失敗した場合にはまた新たな仮説を立て、ということを繰り返して最終的な問題解決へと辿り着きます。Planに仮説を含めると、PDCAサイクルに当てはまるような気がします。

重要なのは、必ず一回で正解にたどり着く必要はないということ。生物は失敗する生き物ですから、進化でミスって自然淘汰されることだってあります。失敗はある意味で正解をより絞り込む行為であり、繰り返すことで着実に正解に限りなく近づくことができます。こうした思考って仕事に限らず、例えばゲームの腕前だったりその他諸々「すごく上達が遅くて永遠に仕事ができるようにならない…」と悩んでる方にも非常に役立つと思います。自身に自信のない方は是非ご一読されたし。とりあえず色んな実用書を読むのが好きです!という方にもお勧めです。何せ27刷と10万部のお墨付きですからね。

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,902件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?