【映画感想】男はつらいよ

2019年12月の日記転載

忘年会や行きつけの店への挨拶まわりもひと段落した昨日は、「男はつらいよ」の新作を観てきました。
映画配給の分析業務をしてる子が「この映画の顧客が異常値を叩き出してるんですよ!」といってました。
要は普通の映画顧客の外れ値にあたる年齢層が異様に食いついているらしいのです。

オープニングの桑田佳祐歌唱の主題歌。
これがのっけから最悪です。
興醒めです。
下手くそな啖呵切りからのモノマネが本当に不快で、一気に期待が不安へと変わりました。
誰得なんですか、これは。大人の事情なんですか?

そこからストーリー冒頭、毎度お馴染み夢のシーンは主人公が満男くんに。
昔の映像から入るので、あえて古めかしいままのロゴタイプと映像がマッチして違和感なくスタート。
映画全体としては、回想と現在のストーリーが交錯しながら進み、出演者の同窓会のような様相でした。
回想シーン選抜は秀逸だし笑えるんだけど、現実には愛すべきクズ寅次郎がいないので後半になるにつれて余計に寂しく感じます。
ゴクミが大根演技なのですが華があって、彼女が泣くと思わずつられ泣きしちゃう。ついでに満男も泣いちゃう。
それより若い頃のさくらが泣いてるシーンはもっと泣いちゃう。
やっぱりこの映画のマドンナはさくらなんだと思いました。

ラスト、満男が寅さんのことを思い出し1人で爽やかに涙を流すシーンはニューシネマパラダイスのオマージュですか?てぐらい会場も鼻すすりタイムに突入。
在りし日の寅さんの笑顔が滲んで見える。

そしてエンドロール。
主題歌が流れるのですが、本家渥美清歌唱!
これはずるい。
桑田佳祐でゲンナリさせといて、ここにきて渥美清!
これは泣いちゃう。
あのオープニングの茶番は計算だったのか。
この巧妙なプロットにはやられました。

ちなみにこの映画中学生以下は100円で見れるらしいです。
本作に関心を示す外れ値(高齢者)がお孫さんと一緒に行ったらちょうどいいですね。
https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/news/1719/

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