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get around がなぜ「避ける」という意味になるのでしょうか?around から読み解く英語の面白さを再認識しました。

今回は “around” を深掘りして “get around” の持つイメージを掴みたいと思います。

We sat around the round table. は「私たちは丸いテーブルを囲んで座った」という意味になるのはそんなに難しくないと思います。

でも、次の「アナと雪の女王」の中で用いられた get around の意味は理解しにくいのではないでしょうか。

場面は、アナとハンス王子が結婚の許しを得るためにエルサの元へと人ごみをかき分けながら向かっている時に交わされた会話のシーンです。

Anna: Coming through. (通していただける?)

Hans: Excuse me.

Anna: Pardon.  Sorry.  Can we just get around you there?  Thank you.  There she is.  (いたわ) Elsa.  I mean, Queen.  Me again.  

映画「アナと雪の女王」

アナが言った “Can we just get around you there?” は個々の単語は全て中学校レベルで簡単ですが、意味は取りにくいと思いませんか?

この意味は、「通していただけませんか?」なのですが、どうしてそんな意味になるかというと、get around ... には「...を避ける」という意味があるからです。

「私たち(アンとハンス)はあなた方(アンとハンスの前にいる多くの人たち)の周りをget できますか?」が直訳ですが、何のことかさっぱりわかりません。

この意味を理解するためには、”get around you” の箇所がポイントになります。

around は「〜の周りに」なので get around you で「あなたの周りをget する」ー あなたの周りをぐるぐるしているだけであなたにはたどりつかないイメージを頭に浮かべて下さい。

around は周りをぐるるるしてるだけで、主語には触れることはない」というイメージが大切なのです。

そうすれば、”get around you” に「あなたを避ける」という意味が生まれてくるのがお分かりになるのではないかと思います。一語で言えば “avoid” です。

辞書で “get around” を引くと「避ける」という意味があるのがわかりますが、get around =「避ける」と飛びつくのではなく、

「around の持つイメージから考えることによって「避ける」という意味を導き出す」

ことで、よりその意味が明確になると思います。

Can we just get around you there? は「あなた(通行人)を避けることができますか?」が直訳で、そこから「ちょっと通してくれませんか?」という意味になるのです。

get around が「周りを動いている」イメージから「避ける」という意味が出てくるのが分かれば、

He always gets to the point. と He always gets around the point.

の意味の違いも理解しやすくなると思います。

get to the point は「要点をついて話す」です。to のコアは「向かっていき、到達する」なので point (要点)に向かって到達する、となり「要点をつく」になります。

He always gets to the point. 「彼はいつも要点をついて話す」

それに対して get around the point の around は「〜の周りに」なので、「要点の周りをまわっている」となり、要点に到達しないのがよく分かります。

He always gets around the point.
「彼はいつも要領を得ない(要点をつかない)」

この2つの文は、to と around の違いをよく表しています。

ところで「(人々の間を)通り抜ける」という表現が、get around you 以外にもう一つ冒頭の会話の中にあります。

それは、アンが最初に言った Coming through. です。come through も「通り抜ける」で、字幕は「通していただける?」になっています。

「通り抜ける」は、come の代わりに pass を使って pass through と言うこともできます。

get around という何気ない言い方を通して、少しでも英語の面白さと奥深さを実感していただければ嬉しいです。

Thanks for reading my article.  See you!

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