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「アナと雪の女王」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート12】

「アナと雪の女王」の1シーンです。クリストフはアナを友人の元へ招き入れます。多くの友人(トロール)はアナが来たことを歓迎します。

< トロールとは、群れをなす妖精たちで、親のいないクリストフと家族のように接してきた。そんな家族同然のトロールをクリストフはアナに紹介しようとした。また、トロールはクリストフとアナを強引につき合わせようとする >

アナ: Trolls? They're trolls. (トロール?)

バルダ: He's brought a girl! (彼女を連れてきた)

トロール: A girl! (彼女だ!)

< トロールはアナを持ち上げて大勢のトロールたちの上を転がし、最後にクリストフの腕の中に投げ込む >

アナ: What's going on? (何なの?)

クリストフ: I've learned to just roll with it. (歓迎している)

バルダ: Let me see. Bright eyes. Working nose. Strong teeth. Yes, yes. She'll do nicely for our Kristoff. (見せて。輝く瞳。いい鼻。丈夫な歯。クリストフにピッタリ)

アナ: Wait, wait, wait! Oh. Um...no. (待って)

クリストフ: You've got the wrong idea. (誤解だ)

< 中略 >

バルダ: What's the issue, dear? Why are you holding back from such a man?  Is it the clumpy way he walks? (何が問題なの?なぜ決心がつかないの?歩き方がダサい?)

「アナと雪の女王」

① I've learned to just roll with it.「歓迎している」
I’ve learned to ...「…することを学ぶ」「…するようになる」という表現ですが、ポイントは “roll with ...” です。

直訳は「…と一緒に転がる」ですが、誰かと並んで一緒に転がっている姿を思い浮かべて下さい。

「転がる」というのはスムーズに動いているイメージがありませんか?そこから「抵抗せずに現状を受け入れる」という意味が出てきます。

ただ推測するに、クリストフは友人のトロールたちの行動に戸惑っていたかもしません。でも今ではもう慣れてしまい、彼らの行動に柔軟に対応できるようになったであろうということです。

この「柔軟に対応する」というのが “roll with...” の持つイメージです。

“I've learned to just roll with it.” は「僕はそれ(トロールたちの振る舞い)をもう受け入れるようになったよ」という意味になります。

字幕の「歓迎している」は、アナにとってはびっくりするような行為だけれども、それは歓迎の印だよ、と言いたいのだと思います。

この roll with... と同じ意味を表すフレーズに “go with the flow” というのがあります。私はこちらの方がよく耳にしますが、flow「流れ」で「流れとともに進む」という意味になり、そこから「流れに身を任せる」という意味に発展します。

roll with... と go with the flow は同義語ですが、少し違いがあります。それは、前者は自ら転がって相手に合わせていくというニュアンスから、話者の能動性が感じられる表現です。

それに対して go with the flow は文字通り、流れに合わせて進んでいくという受動的なニュアンスが含まれます。

ですからクリストフはトロールの理解できない行動にもそれに積極的に合わせていったのでしょう。

この go with the flow で思い出すことがあります。それは数年前に日本に来たアメリカ人の方が、外国に快適に住むコツを

I think it’s important to go with the flow ...

と言っていました。

確かに、文化の違いは時に不快さを感じたりすることがあるかもしれませんが、批判的にならずに go with the flow もしくは roll with it の精神も持ち合わせて日々を送るのが大切なのでしょう。

② She'll do nicely for our Kristoff. (クリストフにピッタリ)

nicely = well で “He’s doing nicely for the job.”「彼はその仕事を上手くこなしている」=「彼はその仕事にピッタリだ」です。

セリフの “She'll do nicely for our Kristoff.” は「彼女(アナ)はクリストフのためによくやるだろう」=「クリストフにピッタリだ」になります。

後ろに人や仕事などを入れていろいろ表現できるのでどんどん使っていきたいですね。


③ Why are you holding back from such a man?「なぜ決心がつかないの?」

hold back「控える」「思いとどまる」という意味は、hold 「一時的に保持する」+ back「後ろに」から来ています。後ろに一時的に保持しているから何かをするのを思いとどまっているのです。

セリフの hold back from such a man は「そんな人(=クリストフ)から思いとどまる」が直訳です。

思いとどまるとは「言いたいことを控える」ことなので、”Why are you holding back from such a man?” の直訳は、「そんな男性から、あなたは何故言いたいことを控えてるの?」です。

そこから、「そんな素敵な男性になぜ心を開かないの?」という意味にもなります。

hold back が「思いとどまる」だと分かれば、

Don’t hod back.

は「思いとどまってはいけない」⇨「遠慮しないで

という意味になります。

逆に “Hey, hold back, will you?” と言えば、「遠慮という言葉知らないの?」と非難する表現になります。

Thanks for reading my articles.

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