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うしろむき夕食店のまかない部屋――小説「うしろむき夕食店」のネタの一部を大公開!

キリンビール公式noteで大好評連載中の「うしろむき夕食店」
お楽しみいただいているでしょうか?

キリンビール公式note×ポプラ社一般書通信×新人作家・冬森灯という、業界を超えたコラボで小説をお届けする試み。
いっぷう変わった料理店「うしろむき夕食店」を舞台に、「乾杯の瞬間」「つながる温かな想い」の魅力をお伝えしていきます。

▼企画の経緯はこちら。

「料理とお酒がおいしそう!」「元気をもらえた」と話題ですが、物語もいよいよ終盤。
このたび第四話が公開されました。

そんな四話と「うしろむき夕食店」の世界をますます楽しめるように、小説に登場する現実の出来事やモノ、執筆中に見つけた面白いものを、冬森さんにおすそわけしていただきました。
お手軽にリンクから飛んで行けますので、お酒やお茶を片手に、小説と現実がちょっとだけ交じり合う楽しさを気軽に味わっていただけたら幸いです。

4話に登場するものを、関連する本文とともに冬森さんにピックアップしていただきましたので、小説と合わせてお楽しみください!

雑誌やテレビで見たイギリスは、歴史の教科書と違って、パンケーキをひっくり返しながら足の速さを競ったり、百年前のおしゃれな服装でサイクリングとピクニックを楽しんだりするような、遊び心にあふれた国に思えた。(🍺🍺)

○面白そうなイギリスの行事1:パンケーキレース

パンケーキを空中でひっくり返しながら競争するそうです。発祥の地オルニー以外にも、各地でレースが開催されているとのことで、なんと国会議員対抗もあるよう。難しい顔をしたおじさまたちが、このときばかりはエプロンに三角巾姿でフライパンを手にし、懸命にひっくり返しながら走る姿。ちょっと素敵です。

*CREA Traveller>気になる世界の街角から>国会議員も着ぐるみも走る走る!ロンドンのパンケーキ・レース


○面白そうなイギリスの行事2:ツイードラン


ツイードがドレスコード。おしゃれをしてロンドンの街並みをサイクリング&ピクニックするイベントだそう。クラシックな姿の人が多く、着こなしもとても素敵です。途中にしっかりアフタヌーン・ティーが組み込まれているのが、さすがティータイムを大切にする国。最後はもちろんビールで乾杯!

*The TWEED RUN


姿形はりんごなのに、僕の知ってるりんごじゃなかった。
香りも食感もりんごなのに、甘みだけが忘れ去られてしまったかのように、感じられない。勘違いではともう一度試しても、結果は同じ。
(略)
イギリスで生産されるりんごの約四割が、調理用のすっぱい青りんごらしい。あの強い酸味は、砂糖を加えてアップルパイやジャムにすると、他にないような個性的で魅力的な味になるという。(🍺🍺)


○クッキングアップル

日本でも最近話題にのぼる、クッキングアップル。日本でもアップルパイに向く紅玉などが知られていますが、イギリスで大きなシェアを占めているのがブラムリーという調理用の青りんごだそうです。日本では、長野県小布施町で最初に商業栽培がはじまったとのこと。小布施町振興公社のオリジナルブランド・小布施屋さんでは、レシピなども見られます。

*小布施屋>小布施ブラムリー


注文を取る若い女性店員は、生成り地に目の覚めるような青紫で描かれたチューリップ柄の着物がよく似合っていた。(🍺🍺🍺)


○ヴィクトリア&アルバート美術館には、希乃香の着ている「銘仙」の展示も

芸術・デザインを専門分野とし、陶磁器や家具をはじめ、工芸品や衣装類、織物なども収蔵するV&A美術館。ミュージアムカフェを世界で最初に作った美術館でもあるそうです。希乃香が着ている「銘仙」がここに収蔵されています。銘仙には有名な産地が五つありますが、収蔵されているのは伊勢崎銘仙で、2020年の同館「KIMONO展」でも展示されたそう。
Collection画面の検索バー、meisenを調べてみると、一部を見ることができます!このシーンで希乃香が着ていた着物は、V&A美術館所蔵のものを参考にしました。見つけてみてくださいね。

*ヴィクトリア&アルバート美術館>収蔵品検索画面


百年以上の時を経たガラスは、個々に表情が違う。世の中が便利になり、製品としての品質もあがった中で、こういう昔ながらのものに惹かれるのは、ひとの気配を感じやすいからだろう。(🍺🍺🍺🍺🍺)

○イギリスの19世紀のガラス器

文化庁が運営する文化遺産オンラインでは、全国の博物館・美術館等の作品などが見られます。たとえばこちらには19世紀イギリスのガラス杯が。透磨の扱う品はこのような美術館・博物館に収蔵されたお品ではないですが、こうしたうつくしさに憧れたひとたちが日常の中に取り入れていった美の形があるのかなと想像します。

*文化遺産オンライン>金彩葡萄文脚付ガラス杯


中心部から四、五十分ほど電車に揺られて着いたその場所には、不機嫌そうな曇り空の下、馬の代わりに、アンティークマーケットが立ち並んでいた。(🍺🍺🍺🍺🍺🍺🍺)

○競馬場のアンティークマーケット

ロンドン郊外のケンプトン競馬場で月2回開催されているサンブリー・アンティーク・マーケット。競馬場の屋内外に数多くのお店が軒を並べる、大規模なマーケットとのこと。歴史的な価値のある品物から、ふつうの中古品までさまざま入り乱れるマーケットの雰囲気、写真がたくさん見られるこちらのサイトで、味わうことができます。

*Tripadviser>Sunbury Antiques Market


夜空に散らばる星々を線で結んだ先人たちのように、見える光を結び合わせるうちに、思いもよらない景色が、目の前に広がるときが来るかもしれない。(🍺🍺🍺🍺🍺🍺🍺🍺🍺)

○きりん座、という星座もあります

北極星のすぐそばに、きりん座という星座があるそうです。こちらは聖獣ではなくて、動物園で会えるきりんの姿のようですが、日本では一年中観測することができ、見ごろはちょうど冬とのこと。一番明るい星でも4等星なので肉眼で探すのは難しそうですが、図鑑などで見つけてみるのも楽しいかもしれません。

*JAXA宇宙情報センター>星座>きりん(麒麟)座


いかがでしたでしょうか。
文字からイメージしていたものを実際に画像として見ると、想像通りだったり、少し違っていたりするかもしれません。
人それぞれのイメージの違いも、小説の持つ魅力の一つだなあと思います。

おいしそうな料理がどんどん増えていく「うしろむき夕食店」。
いよいよ次回で最終回です。
お楽しみに!


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