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世界にはやさしさが溢れている

世界は、まったくもってやさしくはない。
だけど、この世界にも、やさしさはたくさんある。

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怒り。悲しみ。不安。不満。差別。偏見。暴力。ハラスメント。悪意。
毎日毎日、そんな感情に触れ続けている気がする。今日も世界のどこかでたくさんの人が怒っていて、悲しんでいて、傷ついていて。そんな情報に触れる自分自身もまた、息苦しさを抱えながら、生きている。

生きることは、とても苦しい。
特に今は、先の見通せない不安や、簡単に目についてしまう悪意に毎日侵されていて、とてもとても、生き苦しいと感じる。

心は日々ぐらぐらと揺れて、ぐるぐると回る。夜は眠れず、朝早くに目が覚める。ちょっとしたことで、泣きたくなる。胸が苦しくなる。絶望してしまいそうになる。

だけど。そんな世界にも、ちゃあんと。
やさしさは存在しているのだ。

たとえば、音楽。
音楽を愛する人たちが生み出した音楽には、ものすごいパワーがある。
音楽はいつだって私たちのそばにいて、涙に濡れた心にそっと寄り添ってくれたり、ぽんと軽やかに背中を押してくれたりする。

たとえば、空。
いつも私たちの上に平等に広がっている空は、時に厳しい顔もするけれど、ふとした瞬間、あたたかい陽だまりや、満天の星空をプレゼントしてくれたりする。寂しくなったら空を見上げれば、今日も同じ空の下で生きる大切な人の存在に、想いを馳せることもできる。

たとえば、人間。
人間は、自分も他人も、とてもむずかしい。だけど、悪意や偏見が人間から生まれるように、愛や希望もまた、人間が生みだすことだってできるのだ。私たちは何度も人間によって絶望するけれど、今日も人間に救われる。

どんなに悪意に満ちた世界にも、やさしい人や、やさしい人が生んだやさしいものは存在していて。そのやさしさに触れて、人はまた立ち上がることができる。

つらいときは泣いていい。歩くことに疲れたら、立ち止まればいい。ひとりで頑張る必要なんてない。大きく息を吸って、空を見上げて、大好きな音楽を聴いて。また明日も、一緒に生きてゆこう。


2020.6.23 にしがき

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