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分報がテレワークでのチームコミュニケーションを促進~4つのメリット&分報発信パターン

分報&自分チャンネル』は、チャットツールの中に個々のメンバーが自身で発信する為の専用チャンネルを作り、できるだけリアルタイムに仕事状況を発信するコミュニケーション手法です。

チャットツールのチャンネルは、多くの場合、『全体の場』『テーマ別の場』『1対1の場』といった3層の構成だと思います。ここに新たな階層として、自分が呟いて他のメンバーが閲覧できる専用のチャンネルを作る訳です。

このチャンネルの中で、自身の業務の進捗であったり、業務に限らないふとした思いや気持ちなどを発信していくのです。

この『分報&自分チャンネル』はテレワークでのチームコミュニケーション向上にとても役立ちます。そこで今回は、改めてこの自分チャンネルのメリットや使い方について紹介したいと思います。

分報&自分チャンネルの3つのメリット

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自分チャンネルのメリットとはどんなものでしょうか。それは、自分チャンネル以外のチャンネルが持つ数々のデメリットを、ことごとく解決する要素を備えていることにあります。


メリット1. プロセスがわかる

テレワークでよくある課題の1つは「仕事の課程が見えない」ということです。分報を導入することで、この課題を大きく軽減できます。

できるだけリアルタイムに仕事状況を発信してもらうことで、
・いま何をしているか
・どんなことに躓いているか
・どんな気付きや学びがあったか
などが可視化されます。

日報などだと、どうしてもこれらの細かな内容は発信されなくなり「結果」しかわかりませんが、分報なら思いついたそのタイミングで発信してもらうことができ、過程が残ります。


メリット2. 投稿先の迷いがない

全体やテーマ別のチャンネルには、「数々あるチャンネルのどれに発信したら良いかわからない」「テーマが被っているので、どちらのチャンネルに送って良いか迷う」「他人に気兼ねしてしまって発信しにくい」といった課題が起こりがちです。

自分チャンネルでは、その人からの発信であれば何でも発信できるので、「複数のチャンネルのどれに発信すれば良いか分からない」という事が起こりません。また、その人自身の発言専用のチャンネルなので、「他の人に気兼ねして発信しにくい」という事もありません。


メリット3.  会社・チーム全体での情報量が増加

業務上で質問がある場合、多くの場合はDM(ダイレクトメッセージ)やプロジェクト別チャンネルで投稿すると思います。しかしこのやり方だと、相談相手/プロジェクトメンバーしか内容を見ることができません。

自分チャンネルを使い、これらの質問を自分チャンネル内に投稿してもらうことで、相談質問を他の人が見ることができます。

例えばある企業では、エンジニアAさんの自分チャンネルに対して、デザイナーBさんが「デザインのマージンルールはどうすべきか」という質問しました。この質問や回答は、他のデザイナーも見ることができるので、会社/チーム全体の学びに繋がります。


メリット4. DMの「重さ」がない

またDM(ダイレクトメッセージ)などの1対1のチャンネルは、どうしても個別対応への重すぎる特別感や印象が伴ってしまいます。また返信やリアクションが必須で求められるケースが多いので、受け取る相手にとってより重苦しい存在になってしまいます。

また、1対1の様に誰かに特定した発信では無いので、受け取る側に返信やリアクションが求めらません。その分の重苦しさやストレスを与えずに済みます。


この様に、分報&自分チャンネルを導入することで、気兼ねなく発信できて、意見交換の活性化につなげられるものなのです。


自分チャンネルでの分報の投稿パターン

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それでは、どんな時に自分チャンネルを使うと良いのでしょうか。

テレワーク環境では、これまでの同じ場所に居るコミュニケーションと違って、伝えられた分しか相手の様子や情報を知ることができません。反対に、情報を流せば流した分だけ互いの情報を共有する事ができ、その積み重ねの量がチームワークの向上へとつながっていくのです。

つまり、自分チャンネルで気軽にメッセージを発信することで、その分確実にチームの情報共有が進んでコミュニケーションが向上するのです。これは、コミュニケーションが希薄になりがちなテレワークにとって、もの凄く大きなメリットです。

そこで、どんどん自分チャンネルで発信する事が大切になります。そしてそれは全く難しいことを必要としません。業務の進捗や、会議や打ち合わせの内容、情報収集した事や、参考になった事を共有したり、プライベートであった事などを何でも気軽に呟いていくだけで良いのです。

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それらが全て組織やチームのコミュニケーションの素晴らしい糧となります。業務面でも上司や同僚に対して効果的な情報共有やホウ・レン・ソウができ、有益な学びや気付きが共有され、大きなメリットを提供します。

さらに、コミュニケーションにおいてとても大切な要素とされる、“雑談”の活性化も実現します。テレワークでは雑談が行われにくいと言われますが、その原因の1つに、お互いが離れているが故の雑談の『ネタ不足』があります。

その様な中、自分チャンネルを活用してプライベートな呟きを発信しておく事で、雑談のネタが提供されて、格段に雑談が行われやすくなるのです。

分報&自分チャンネルで、テレワークのコミュニケーションを促進しよう

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以上の様に自分チャンネルはとても有益な手法ですが、ある程度長期的な組織やチームでない場合は、あまり導入する必要性が無いケースもあります。短い期間で一定の仕事を行う場合など、コミュニケーションを育てていく必要が無い組織の場合は、導入する必要が無い事もあるでしょう。

しかし、コミュニケーションを良くする事を求める組織においては、非常に大きな効果をもたらす手法です。とかくコミュニケーションが希薄になりがちなチャットベースでのテレワークでは、劇的な解決策になり得る存在と言っても過言ではありません。

実際に、私自身のチームでも無くてはならない手法の1つになっています。その経験から、これまでの私のセミナーや著作でも大いにお勧めして来たのです。

それではこの記事の最後に、私の著作の読者で自分チャンネルを導入された方からの喜びのメッセージを紹介させて頂きます。

▼『自分チャンネル』を導入された方から頂いたメッセージ

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以上の様に、自分チャンネルはテレワーク特有のコミュニケーションの希薄化を解決し、リモート環境でのチームワークを格段に向上させることができます。ぜひ多くの企業や組織の皆様におすすめさせて頂きたい、とても有益な手法なのです。


この度、リモートでの会社経営・チーム運営を続けてきた中で得られた知見や実践例をまとめた書籍『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』をマイナビ出版さんから出版しました。

ぜひ、テレワークを導入される皆様の、より良い職場環境作りや、より楽しくて幸せなチームコミュニケーションの一助になればと心から願っています。


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