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ポップインサイト創業記(44)〜リモートワークの最初のきっかけは中国

ポップインサイトでは、2014年から全面リモートワーク化を進めてきました。今回は、そんな世間に先立ってのリモートワーク化を始めるきっかけとなったエピソードを紹介したいと思います。

高校からの友人、面白男Kくん

高校、大学が私と一緒で、非常に仲良くしていたKくんという友人がいます。彼は早稲田大学を卒業して、京都大学の大学院に行ったという、優秀な頭脳の持ち主です。しかし同時に、彼はとてもユニークで変わった面があって、印象としては奇人変人とも言えるような「面白男」でもあります。

彼は京大の大学院を中退して、その後は職を定めず転々としていました。さらにその後、中国に行って向こうで職に就いていました。

私は彼と仲が良かったので、定期的にFacebookメッセンジャーで話したりとか、一緒に食事したりしていました。


私がポップインサイトを創業した当時も、彼は中国で仕事をしていました。そんな時、夏に1ヶ月間くらい日本に一時帰国していたので、「良かったらちょっと手伝ってよ」といった感じで声を掛けて、動画チェックの業務を手伝ってもらいました。

彼は頭脳明晰な男なので、 とても良い分析をしてレポートを作ってくれたので助かりました。実は、彼は中国でユーザーテストに少し近い感じの、店舗を色んな人がグルグル回って、課題を出していくようなタイプの会社のレポートの日本語版を作る仕事をしていたので、職種的な近さや相性良さもあって、すぐにとても良い成果を出してくれたのです。

他のメンバーも、「凄くいいね!」「やるじゃん!」といった雰囲気で彼と打ち解けて仲良くなったりしていたものの、あっと言う間に一時帰国終了の時期を迎えて、彼は中国へ戻ることになりました。

彼は職能面で大きく貢献してくれていたし、他の社員やパートの人達も彼と仲良くなっていたので、皆、少し寂しさを感じながらも、盛大に送り出しました。

するとその翌日、なんと彼が再び帰ってきたのです。「俺、知らない内にクビになってた」と。

てっきり、中国から1ヶ月間帰って来ていたのは、正式に有給とか休みをもらってのことだと思っていましたが、彼は会社にきちんと言って来ていなかったのです。

「帰ろうとして中国の会社に連絡したら、『もう君の席ないけど』みたいな感じで、クビになってたんだよね」と。

・・・面白過ぎますよね。皆で盛大に送り出したら、翌日「やあ、俺クビになっちゃた」と戻って来たのです。本当にユニークな男です。

彼は「また仕事もらえない?」みたいな感じでした。私としても、仕事面では優秀な彼の仕事に助かっていたので、「じゃあ、一緒にやろうよ」と、正式に社員として入ってもらいました。


ときどき中国に行きたいという希望からリモートワークにチャレンジ


その様にして入社したKくんでしたが、彼には当時中国に付き合ってる女性がいました。その為、一年の半分くらいは中国に行きたいという希望を持っていました。「ちょくちょく中国に行きたいんだよね。もし中国に行けないんだったら、辞めようかな」という感じでした。

当時、彼は既に社内で戦力として貴重な存在でした。当時、社員は4人位で、後はパートさんが何人かいるといった感じの少数体制だったので、彼の替えは効きづらい状況でした。辞められたら困ってしまいます。

そこで、リモートワークで業務をしてもらうことを提案したのです。私もその時まではリモートワークを1度もした事がなかったのですが、彼の業務はそのオンラインで行うものだし、元々会社と違う場所で行っていました。

彼は「中国に行けないなら辞める」と言っていて、こっちは「辞めて欲しくない」と思っている。それなら、リモートワークでやってみないかと。

もしそれで上手く回るのであれば、彼としては、安定的に仕事がある上に自由に中国にも行ける。会社としても仕事が普通に回っていれば全く問題はない。お互いにとって良い形です。

そういう経緯を踏まえて、日本と中国間でのリモートワークを試してみたのです。

予想もしていなかった形からリモート化へ

その結果、リモートワークで問題なく業務が回りました。



その後、私は自社の業務を全面リモートワーク化していくのですが、最初のリモートワークは、一般的な在宅と会社を結んで行う形のものではなく、このように中国と日本を結ぶという少々ハードルが高い取り組みでのスタートだった訳です。しかし、全く問題はありませんでした。

予想以上にスムーズに行く上に、寧ろわざわざ会社に出社しなくても仕事が進むから便利です。「これ、結構イケるね」といった感じになり、Kくんにはリモートの形で業務を進めてもらうことになったのです。

実際は、ここからすぐに全社リモートワーク化に進んだという訳ではありませんが、この出来事は、リモートワークが便利で問題なく行えるということが解ったきっかけになりました。ユニークな友人を思い切って招聘した結果、業務が上手く回るようになったのに加えて、会社をリモート化へと進み始めることができました。結果的に全てが良い方向に進んだのです。

今年、思わぬところから社会的に当たり前の存在になった「リモートワーク」。私が世間に先駆けて行っていた全面リモートワークは、実はこんなエピソードがきっかけでのスタートでした。

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