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ポップインサイト創業記(66)〜テレワーク化のデメリットに直面する

ドラスティックなコストカットの一環として、オフィスを無くして全面テレワーク化に移行していった私達でしたが、当時は今の様にテレワークは一般的ではなく、その移行プロセスには上手くいかなかった面もありました。今回はそんな「テレワーク化の難しさ」を感じたエピソードを紹介します。

最初からスムーズに行った訳ではなかったテレワーク化

前号まで紹介してきた様に、オフィスを解約して会社の体制を全面テレワークへと切り替え始めた私達ですが、テレワーク化は実際にやってみると意外と難しい面があって一筋縄ではいかないという事を痛感させられる出来事がありました。

当時のポップインサイトは役員を含め社員7人体制でした。その頃は一時的な危機的状況を乗り越える為に、社員7人の内私を含む4人は外部で他の仕事もやりつつ在籍するという言わば副業体制の様な形を採っていて、残りの3人はこれまで同様そのまま業務を進めるという体制にしていました。そんなテレワーク化への移行プロセスの中で、残った3人のうち1人が辞めてしまうという残念な出来事が起こったのです。

テレワークがマッチする人もいればマッチしない人もいた

ご存知の様に、テレワークを行う場所の多くは自宅で仕事をする“在宅ワーク”です。在宅でのテレワークには「出勤する必要が無い」とか、「自分のペースで仕事を進められる」とか、メリットがたくさんあります。しかし、この在宅などのテレワークが合う人もいれば合わない人もいるのです。

当時ポップインサイトで運用担当をしていたM君は実家暮らしでした。30歳位の独身男性で、とても勤勉に頑張ってくれていました。

そんな彼でしたが、会社がテレワーク化を進めた事により、現在の様に在宅のテレワークが一般的でないこの時代に、急に30歳前後の男性が連日家で部屋にこもって仕事している状況になった訳です。その様子を見て複雑な気持ちになった親御さんから仕事を続ける事に反対されてしまったそうです。散々悩んだ末、彼は「会社を辞めたい」と申し出て来たのです。

私としては、それまで頑張って来てくれたM君には、リモートの形になったとはいえこれまで同様に頑張ってもらって、ますます活躍して欲しいと思っていましたが、よく話し合った末に残念ながら退職する事が決まりました。

今は当然のようにしている事ができていなかった

このM君のエピソードは、テレワークというスタイルは必ずしも全員にとってベストではない事もあるという事を学ばせてもらった出来事でした。彼には会社に残り難い状況にしてしまい、申し訳なかったと思います。

やはり、この当時は特にそうですが、そもそもテレワーク前提で入社して来ている人は殆どいないのです。そこを無理やり会社の体制をテレワークに移行していったので、イレギュラーな事も起きたのも致し方なかったのかなとも思います。

しかし今から考えると、現在の私が当然の様に行っている、テレワークにおけるグループワークを潤滑に進める取り組みは、全くという程できていませんでした

個別のコミュニケーションであるワン・オン・ワンや評価システムなど、この後知見を得て確立していったリモートワーク環境において成果を出すチームコミュニケーションのノウハウが出来ていなかった事が、このような残念な流れを作ってしまった訳です。

この度、この様な苦い経験を重ねながらリモートでの会社経営・チーム運営を続けてきた中で得られた知見や実践例をまとめた書籍『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』をマイナビ出版さんから出版しました。(参考:テレワーク×チームコミュニケーションの書籍を出版した理由

ぜひ、テレワークを導入される皆様のより良い職場環境作りや、より楽しくて幸せなチームコミュニケーションの一助になればと、心から願っています。

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