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ポップインサイト創業記(65)〜転換期に導入したノマドワーク

創業3年目の後半からの徹底的なコストカットの一環としてオフィスを解約した私たちは、そこから徐々に全面リモートワークへとシフトして行きました。今回はそんなリモートワークへの転換期をどの様に過ごしたのかを紹介します。

オフィスを無事解約する

オフィスの契約は、申請してから半年位後にやっと解約できるというのが一般的ですが、私たちの場合も同様でした。申請して半年後の翌年2月、無事に解約が完了しました。

当時のオフィスはそこそこ広い所だったので、机や棚などのOA家具や備品が数多く残りました。それらに関しては、いらないものは処分し、使えそうなものは私がオフィスを解約した後に自分用の仕事部屋として借りた狭いワンルームマンションに入れたりしました。

この様な形で、オフィスの引き揚げを無事完了したのです。

週に一回集まって仕事することにする

オフィスを無くした後、リモートワークへと移行するという事で、メンバー各自の自宅でそれぞれ働く事になるのですが、当時としてはリモートワークはまだまだ珍しいワークスタイルでした。

特に最初から全く皆と会わなくなるという事に、不安を感じていました。いきなり皆が全く会わない形になってチームワークを維持できるのかと。

そこで、週に一回集まって仕事をする事にしました。「毎週月曜日、集まって仕事をしよう」と。一定の接点を持ちつつ、徐々にリモート度合いを高めて行こうと方向性を決めたのです。

会社のノマドワーク化をスタート

次に出てくるのは、「どこで集まるのか」という場所の問題です。いろいろ考えた結果、毎週違うレンタルオフィスを借りて仕事をすることにしました。「せっかくだから毎週場所を変えようよ。色んなオフィスを体験したら面白いんじゃない?」という事で、週ごとに異なるオフィスで仕事をしていったのです。

近年流行している「ノマドワーク」という概念があります。ノマドワークとは、決まったオフィス以外の場所で働くワークスタイルを指します。電源やwi-fi環境のある場所であれば仕事が可能というものです。英語で「遊牧民」を意味する「ノマド (nomad)」から来ている造語ですが、私たちはまさにそのノマドワークの先駆者的なイメージでした。

しかも、一般的なノマドワークは個人単位のイメージですが、私たちは会社で一体となって「今週はここ、来週はここ」と移動して仕事をしていた訳です。

当時はかなり斬新とも言えるアプローチでしたが、私としてはシンプルに凄く楽しい体験でした。

楽しい体験がいっぱいだった

レンタルオフィスはピンからキリまで色々な所があります。得てして宣材写真より実物の印象がはるかに落ちる所が大半です。行ってみたら、凄くボロボロの雑居ビルの一室だったりとか、びっくりする程狭くて薄暗い感じだったりとか。「なんか写真は綺麗だったけど、来てみると凄くちっちゃくて印象と全然違うな・・・」といった事が頻繁にありました。

▼レンタルオフィスで集まって仕事をする様子

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それでも、皆で行うノマドワークは楽しくて刺激的な体験でした。あんな楽しい時期は、人生においてなかなか体験できるものではないと思います。

そして、集まったのはレンタルオフィスだけではありませんでした。時にはメンバーの自宅に集まる時もありました。

▼メンバーの自宅で集まった時の様子

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人の家に皆で集まって仕事をするというのも、とても面白い体験でした。メンバーの家や私が借りた小さなワンルームに集まって、そこにダンボールを敷いたり、段ボールの箱を組み合わせて机の様にして仕事をしたり・・・かなり楽しい体験でした

当時のノマドワークの致命的な弱点とは・・・

この様に、毎週違う所で行うノマドワークはとても面白かったのですが、1つ致命的な問題がありました。それはインターネットやWi-Fiなどのネットワーク環境が著しく悪いという事でした。当時のレンタルオフィスはどこもネットワーク環境が驚く程悪かったのです。

私たちが扱うユーザーテストのサービスは、動画を扱うのがメインの業務です。動画データは一般的にファイルサイズが大きくて重いものですが、私たちの場合も100メガとか200メガとかざらにありました。当時のレンタルオフィスの貧弱なネット環境では、全くダウンロードが進まないのです。

これには困りました。動画がダウンロードできない事には仕事になりません。そこでどうしたかと言うと、私が家でUSBメモリに作業する分の動画データをダウンロードし、それを持って行くようにしました。

この様に、とてもローテクなやり方で問題をクリアしつつ皆で頑張っていった訳です。こういった事も一つ一つが楽しい思い出です。

とても面白かったノマドワーク時代

この様に、ノマドワーク時代は本当に楽しい時期でした。オフィスを無くして必要に迫られて始めた事ではありましたが、毎週異なった場所で皆で行うノマドワークは、とてもテンションが上がりました。

広くて綺麗なオフィスが無くなると、寂しい気持ちになる人もいるかも知れませんが、私の場合はそういった気持ちは皆無で、ただただ楽しかった時期でした。

私は根が楽観的なので、全く悲観的に気持ちにはなりませんでした。さらには、元々素敵なオフィスやかっこいい社長スタイルへの執着がほとんど無いという事も功を奏したと思います。私はそういう事への期待値や価値観があまりないので、この時期も全く残念な気持ちになる事もなく、毎週の皆で行うノマドワークをただただ楽しむ事ができました。こういった所は私の強みと言えると思います。

この様に私達ポップインサイトは、オフィスを無くした後、接点を一定以上取りながら徐々にリモート度合いを高めて行く形で、全面リモートワーク化へとシフトして行った訳です

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