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ローコンテクストなコミュニケーションが、リモートには不可欠

リモートワークにおいて紹介したい細かいテクニックはたくさんありますが、やはり最も重要なのは「心構え=マインドセット」

私が経営していたポップインサイトでは、このマインドセットを「会社として重要にしている考え方=行動指針」として定義していました。そして、その中から毎週1つテーマを決めて周知し、意識化を図っていました。リモート化するにあたって、どんな会社でも同じような心構えが大切になってくると思うので、ここでズバッと紹介していきます。

まずは、5つのマインドセットの中でも重要度が高い「自分から表現せよ」です。2つの記事に分けて紹介します。

より詳しい内容はYouTubeでも解説しているので、ぜひこちらもご覧ください!


察し合う文化=ハイコンテクストなコミュニケーション

「自分から表現せよ」とは、簡単に言えば「察してほしい、という期待は禁物」ということです。なぜ、これをあえて言わなければいけないのか。それは、日本は「察し合いの文化」と言われているためです。相手の顔色を見たり空気感を読んだりして察したほうがいい、察する=能力が高い、というような前提があります。これはハイコンテクストなコミュニケーションとも言われますが、「あえて言わなくても理解しよう」といった期待値が基本的にあります。

オフィスにおいても、挨拶のテンションが低いなど「ちょっとした雰囲気で察してくれ」というオーラを出す人は結構たくさんいます。そうした期待を抱いた際に、察して配慮してくれる上司や同僚がいる会社は、実際にあるはずです。


リモート環境=ローコンテクストなコミュニケーションへ

しかし、リモートワークとなると、ハイコンテクストなコミュニケーションはハードルの高いものになります。自宅でどんなに嫌な顔をしたり、困って作業が止まったりしても、それは相手には全くわかりません。お互いが全然見えないリモート環境では、察し合うことは不可能です。

つまり、この「自分から表現する」というマインドセットをもたないと、自分も相手も不幸になってしまいます。「相手が察してくれる」という期待を抱いてしまうと、「オフィスで働いている時と比べて、なかなか助けてもらえないな」、「自分のことを全然気にかけてもらえないな」という感じに。逆に相手側も「なかなか状況を連絡してこないな」と不安になりますし、「言ってくれないから、わからないのに!」とネガティブな感じに。お互い、相手に期待しても、いいことは一つもありません。

そのため、コミュニケーションのスタンスをハイコンテクストからローコンテクストにシフトすることが必要です。察し合うのではなく、「説明し合ったり自分から発信し合ったりすることを前提にしていく」。この考え方は、ぜひ徹底してほしいです。

表現し合い、耳を傾けることが大事

「自分から表現」することはもちろん、その発信に対して丁寧に耳を傾けることも大事です。それを再認識したエピソードが、つい最近ありました。

経営していた会社で、この春、産休明けのメンバーが復帰しました。子育てしながらだと時間的制約があって、バランスをとるのが大変かなと勝手に思い込んでいましたが、そのメンバーと直接話してみると、違う視点での不安があることに気づかされました。それは、1年ほど産休をとっていたことにより、後輩を含む周りのメンバーがどんどん成長・活躍し、差がついているという点。気持ち的にうれしい状況ではない中で、自分はどうやっていったらいいのか…ということでした。

これは、聞かなければわからなかったことです。お互い状況が違うので、想像するにも限界がありますし、表現してもらわないと背景や状況が全然わかりません。思い込むのはよくないですし、「きちんと耳を傾けてよかったな」と改めて感じた出来事でした。

不安な点がわかると、「こんな風にしてみたらどう?」などと有意義なアドバイスができますし、その辺に配慮して仕事を振ったり話をしたりできるので、より良い関係が築けると思います。

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