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テレワークで上司やクライアントにフィードバックする2つの方法

今回は、あるテレワークで働いているフリーランスの方から頂いた以下のご質問にお答えします。

Q.テレワークで働く上で、報酬などの労働条件が現実とかけ離れあまりにも悪い時などに、上長や管理者に上手に意見を言う良い方法はありますか?

FB(フィードバック)が問題解決の鍵

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確かに、テレワークで働いてる時に、時給や単価があまりにも非現実的でナンセンスな程に低かったり、仕事を進める内にどんどん報酬条件や労働条件が改悪されるという悪しき事例に遭遇してしまう事がありますね。

この様なケースの場合、多く場面において上席や管理者や窓口の担当者が劣化している事が原因になっている事が多々あります。

そんな時に状況を改善するための良いマインドセットがあります。ここではまず、山口 周さんという方が唱えているとても面白い説をご紹介します。

以下はYou Tubeにアップされている動画、トークイベント「ビジネスパーソンのためのアート×哲学」より、題して「『劣化するオッサン社会』を変えるには」という講演です。ぜひクリックして御覧ください。

講演では、周りの人や組織に迷惑を掛けてしまう使えない“オッサン”がなぜ生まれてしまうのかというテーマが話されています。山口さんによると、その原因は『下の立場の人からの突き上げやフィードバック(=FB)がないから』なのだそうです。

「あなたの考え方は間違っている」「常識に反している」といったフィードバックが無いと、現状で問題が無いと安泰してしまってそのままダメになってしまうのです。

ご質問にある様な、常識的に見て明らかにひどい報酬条件や労働条件を平気で出してくる様なおかしな事をなぜしてしまうのか。それは、誰からもフィードバックがないからなのです。

おかしな労働条件を出すのは、それでもその仕事をやるという人がいるからです。条件を提示した時に大半の人が辞めてしまうとか、反対の声があがるといった周りからのフィードバックがないからそのまま通ってしまう訳です。

山口さんはさらにGoogleの事例を紹介しています。以前Googleは米国国防総省と協力して、武器にAIを搭載するという戦争のためにAIを使う研究をしていたそうです。それに対して多くの従業員が大変怒って反対運動をしたそうです。多くの人が退職したり反対署名を出したりした訳です。その結果、Googleはその研究をストップしたそうです。つまり社員がフィードバックによって会社の誤りを正したのです。

それでは、立場が上の人にフィードバックをするにはどうすれば良いのでしょうか。山口さんは2つの方法を紹介しています。

FBの方法1:オピニオンを出す

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フィードバックの方法、1つ目は『オピニオン(=意見)を出す』ということです。

「こういう風に作業するとこの位時間がかかってしまいます。報酬を時給換算するとあまりに低くなってしまうのでご検討頂けないでしょうか?」「最初の作業の想定に比べて大幅なプラスアルファがあるので、もう少し単価を上げられないでしょうか?」と論理的にオピニオンを出す。つまり意見を言うのがおすすめです。

この様にオピニオンを伝えてはじめて問題を認識してもらえるというケースは現実に多々あります。現状を変えるための第一歩としてオピニオンを積極的に出していきましょう。

FBの方法2:EXITする

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フィードバックの方法、2つ目は「EXIT(エグジット)する」。つまり、その案件を辞めてしまうことです。

人さえ集まらなければ条件を変えざるを得ないはずです。ひどい条件の仕事や案件は速やかに辞めてしまうのが1番だと思います。皆いなくなってしまえば、その仕事は自然消滅してしまうので、もっと良い条件にしなくてはいけないと考え方を改めなくてはいけなくなるのです。

この様に「この条件は駄目なんだな」と気付かせる強烈なフィードバッグになるので、オピニオンを出してダメな場合は、EXITするというのがかなり強力な武器になります。

FBのための結論:モビリティーを持つことが大切

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それではどうしたらオピニオンを出したりEXITしてフィードバックできるのでしょうか。その答えは「モビリティーを持つこと」です。

モビリティーとは流動性、つまり他の仕事に移れるようにする事です。要するに、他にも仕事や案件がある状態にしておくという事ですね。

フィードバックの有効性は理解できる。しかし実際にオピニオンを出したりEXITする勇気が出ない・・・という方も多いと思います。それはその仕事を辞めた後の選択肢が無いと思っているからそうなってしまうのです。

「別にこの案件を辞めても他の案件をやったらいいよね」という状況になっていれば、別にその案件に固執する必要もなく、無理に続ける必要も全ありません。格段にフィードバックが出しやすくなります。

モビリティーを持つためには、「自分自身の能力を磨く」という事と、「多くの仕事の選択肢を広げておく」という2種類の取り組みが必要です。常日頃から、自分自身の能力を磨いていき、同時に視野を広く持って他にやりたい仕事を探しておくことです。

実は、この説では特にフリーランスの方は自分で案件を選択できる可能性を持っているので有利です。その一方で、会社勤めの方もこのモビリティーを持つことで、周りに流されずに主体的に自分の考え方や信念を貫きやすくなるので、メンタル面で大いに優位性を持ち俄然仕事がしやすくなります。

この様に、日頃からモビリティーを持つように努めつつ、オピニオンを出したりEXITをすることでフィードバックをしていくことで、積極的に今の状況を変えていくことができるようになるのです。


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