リモートワークの課題は「ハード」から「ソフト」に

コロナ騒動により、想像を超えるスピードでオフィス前提がリモート前提に切り替わっています。様々な企業がハード面での整備に苦労し大変な状況になっていますが、実はリモートワークの大きな課題はコミュニケーション。半年後には、このコミュニケーション問題が増えてくると思っています。

「ハードの整備」は、どの企業でもできる

理屈的には在宅で仕事ができるけれども、これまでやってこなかったオフィスワーカーとその企業が、コロナ影響で急速にリモートワーク化を求められ、以下のような環境整備に苦労しています。

・PCなどのデバイス環境
・セキュリティ環境(個人情報の扱い、通信、ソフト選定)
・規定(労務管理、光熱費など)

おそらく、ここ半年くらいは、そのハード面を大きな課題として必死にがんばっていくことになると思います。でもこれは、時間をかければ、どの会社でもできること。デバイスを整えて、セキュリティのソフトやツールを整えて、運用規則も他社のものをベースにしながら整えていけば、大変だけれども、どの会社もできるようになっていくのは間違いありません。やるべきことは、ほとんどの会社で同じです。リモートワークをコンサルティングするような支援会社もたくさんあります。

「ソフトの整備」がハードよりも難しい

ただ、ハード面を整えた後には、もっと難しい問題が待っています。実際にそこで働く一人一人が、リモートワークで快適に働けるように自身の考え方やスタンス、マインドをチェンジすること。

そのソフト面の課題が、2020年9月頃から出てくると私は思っています。やはり対面の方がコミュニケーションが円滑で話しやすい、お互いの様子がすごくわかる、チーム力が上げやすい、管理しやすい…などの思いが交錯し、その解決には結構な時間と労力がかかるはずです。

私が経営していた会社は50人くらいの規模ですが、5年ほどずっとリモートで働くスタンスを続けてきました。オンラインのみで直接会うことなく採用し、入社してもらって、メンバーとして信頼関係を構築してきました。もちろんいろいろな課題や大変な時はありましたが、お互いに生き生きと楽しく働けるように工夫してきたつもりです。そうした数々の取り組みは自負できるポイントが多いので、そこを今後伝えていきたいと思っています。

ハードもソフトも整えば、通勤しなくても仕事はできる!

長い時間をかけて満員電車で出社するのは、これまでは基本的に「集まる」という大前提があったからですが、そこを考え直さなくてはいけません。そもそも、通勤は無駄。子どもがいたり家族の面倒をみたりするなど、プライベートを大事にしたい場合は、特にもったいないです。

往復で3〜4時間も通勤にかけて疲弊し…という状況が当たり前だったところから、在宅で仕事をし始めてハードの環境面もソフトの考え方も変化していって、「通勤しなくても仕事できるじゃん!」という手応えを感じるようになったら、リモートワークをしたくなってくる人は結構な割合でいると思います。出社しなくていいのなら、しなくていい。その方が、満員電車の緩和など出社しなくてはいけない人のためにもなりますし、そうあってほしいと思っています。

一方で、「いやいや、リモートはよくないと思う、やっぱり集まった方がいいよね」などと、オールドスタイルに戻りたくなってしまう人も結構な割合でいると思います。在宅で働くことに慣れるまで時間がかかったり、「リモートワークの仕組みはあるけど、やはり出社する」となってしまったり。もちろん全員は合意しないかもしれませんが、自分としては「こうしたら、うまくいくんじゃないかな」と思っていることはたくさんあるので、そこをこれから発信していきます。



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