年下の彼女

彼女との話し合いまであと6日。
初めてちゃんと好きになれて、俗に言うカップルみたいな事をした彼女。
映画や焼肉や2人で公園ではなしたり、家で何もしないでNetflixを見て気付いたら2人とも寝ていて、急いで起きて準備をしなきゃいけないのにもう少しと2人とも寝てしまう。気付いたら彼女を送る時間ギリギリになっていて。原付しか持っていない俺は彼女を後ろに乗せて彼女の最寄りに送る。2人ともあまり素直になれない性格でバイクに乗ってるその時だけは何故か知らないけど、素直になれて色んな話をした。
将来の話や明日の予定や今の素直な気持ちや直して欲しいところなど沢山の真剣な話を風の音に遮られながらした。
そんな彼女は二つ下の高校生だった。
可愛くて身長が小さくてスタイルも悪くはない。ガサツなところが多くすぐに怒るし、気分屋だった。
それでも大好きだった。
初めて人の前で泣いた、というか泣けた。
きっかけは、彼女が書いた手紙を彼女が破き出した。なぜかと聞いたら親に馬鹿にされた事と内容に納得がいかなくなったらしい、それで涙を少し流しながら破いていた。
なぜかわからないけど、俺も泣いてしまった。凄い勢いで泣いてしまった。
彼女は泣きながらなんで泣くの?と不思議そうに聞いてきた。俺はせっかく書いてくれたのに破かないでよ。としか言えなかった。心の中では、何もできていない自分と泣いている彼女を見て自然と涙が出てきていた。うまく伝えられずに2人とも泣きながらハグをして泣き止むのを待った。
年上なはずなのに、年下の彼女の大丈夫だよと言いながら頭を撫でる手に安心と心地よさを覚え、このままずっとそうして欲しかった。
たくさんの思い出があった彼女だった。
彼女は元彼氏に浮気をされていたらしい、そのため浮気はクズだから!とよく言っていた。
その言葉は自分に言い聞かせていたのか、ただ言葉にしていたのかわからない。
けど彼女は浮気をした。
話し合うからさ、今は距離を置きたい。
そう言われて2週間彼女は新しい彼氏が出来ていた。
彼女と同い年のイケメンでもない普通の子だ。タバコも吸ってなさそうないい子に見えた。
俺は浮気をされた。彼女を幸せにして大切にしていた。なのに浮気をされた。
怒りたかった、聞きたかった、泣きたかった。けどもう泣いても心地よさを感じさせてくれるあの子はいないとタバコを吸いながら考えていたら、自然と涙が出てきた。
1人でいる時の涙はなぜか何も感じなかった。
付き合ってた頃はタバコの本数も彼女との
デートのお金にしたくて控えていたし、彼女との時間のために1日一本程度だった。
気付いたら本数も増えていて、コンビニに立ち寄って251番一つといつもの会話のように口に出すことが増えていった。
彼女の今の彼氏はインスタにも載っていてハイライトにも載っていて、サブ垢のトプ画にもなっている。自分の時はそんなものなかったし、匂わせ程度だった。
彼氏だったのかが不安にもなる。
彼女の中ではただの1人の男で、年上の優しいお兄さんだっただけなのかもしれない。そんな悲しい思いをまだ今も引きずっていて、心の中にも彼女がいる。
バイクで走っている時に彼女と通っていた道を通るだけで、心がなんとも言えない気持ちでいっぱいになり、また帰りのコンビニでタバコを買う。
彼女には幸せになってほしい。
また、なにかで出会えてdmが送られてきて大人になった彼女と出会えたらとか思うけど、彼女は変わらない気がする。
そんな悲しいこともあると若いなりに知った、冬が訪れる温かいパーカーを着る季節に。

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