②『TXQ FICTION イシナガキクエを探しています』




こんぺこ、ぽっさんです。
記事分けたのにアップするの面倒になってだいぶ日が空いてしまった〜

引き続きテレビの感想だよ



「ジャンル」のはじまり


心から楽しみにしていた『TXQ FICTION』の放送が始まり、あっという間に完結した。

リツイートでTwitterアカウントを知ったときはまだ全く情報がなくて。大森時生氏のリツイートだったから、テレビ番組かな〜って予想してワクワクしてた。


心霊ドキュメンタリーとモキュメンタリーホラーの中間にあたるのか、また別のジャンルにあたるのか
なんとも言えない手触りの作品だったね。素晴らしい。


以下ネタバレあります





考察するより直感的に楽しんでほしいストーリーだと聞いていたからこその感想なんだけども。

そもそも昔本当にあった報道番組のテイをとったドラマが放送されていることに感激した。

リングがビデオテープのための心霊であるように、これはテレビ番組のためのモキュホラだ。冒頭のインパクトで今作を超える構成はもう難しくないかな。

実際にあったこれ系の人探し報道番組、構成がだんだんおかしくなっていって
元FBI捜査官?なる者がプロファイリング?したり 果てにはわけわからん霊能者?が「あなたの娘さんはもう死んでて、死体は⚫︎⚫︎に遺棄されています」とかなんとか言っててさ。

霊感商法のそれらとなんら変わりなかったよな〜と思ってたけど、
今作の大オチが「行方不明者を探していた老人が霊感商法の被害者で洗脳されていた」だったの、美しすぎたね。素晴らしいオチ。

最終話(ネタバラシ回)、観る前は蛇足かな〜と予想してたけど なにも回収しないしちゃんと投げっぱなしにしていてすごく安心した。

あれこれを回収してしまうとホラーではなくミステリになってしまうし、
何よりも今作のサビである意味不明さ 不気味さを手放すことになってしまうからね。

『奥様ッソ』みたいなオチに繋げられるようなテンションでもなかったし、どうかなあと思ったけど
あの最終話はネタバラシを期待していた層を裏切るためだけに作ったのかな〜 みたいな想像をしている。ホラーってなにも整わなくていいよね、これが最高だよね、みたいな。だったらいいな。



TXQ FICTION公開に合わせたインタビュー記事がどれも面白かった。
一部リンク貼ります。




中でもフジテレビの『放送禁止』という作品が我々の創作の礎になっているという点をはっきり明言してるところがよかった。

もちろん視聴者が『放送禁止』を思い出すのはそうなんだけど、制作側もあの作品をリスペクトしていて あのスタイルを現代に継いでいけると信じている点が共感できて嬉しい。
Jモキュホラの大枠みたいなものは『放送禁止』で完成してることを否定していないというか。改変して進化させるというより、文化として伸ばしていく意思があると私は受け取ってる。

これに繋げて「TXQ FICTIONは子供の原体験になればいいと思ってる」という発言、最高。

トラウマともまた違う。

子供の頃にやってた変な深夜番組、気味悪かったな。内容は覚えてないけど。オバケが出てくるとかではなかったのになんか怖かったな。なんだったんだろ。みたいな。

結局それって後から語られるもんだと思ってたけど、TXQ FICTIONはあらかじめそこもターゲットにしているとのこと。

それらのコンセプトを理解しておくとより面白い作品だなって思った。

純粋なJホラー(リング 等)、コメディ要素のあるホラー(来る、事故物件 等)のブームが一旦落ち着いて モキュメンタリー系が流行ってきていることは
最近よく言われる演出を嫌う文化(ヤラセっぽさが滲むと白ける)が深く関係していて、こうやって新しい作品やジャンルが発展していくんだなって、そういうのをリアルタイムでハマって見れるのはすごく面白いね。

2024年はホラー文化の一つのしおりが挟まる年だと思ってる。
TXQ FICTIONもシーズン2の制作が決まったし、大森時生氏と梨氏の展示会の告知もあったし。

これからも楽しみです。










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