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挑戦し続けるシフォンケーキ作り

料理好きの母や祖母の影響もあり、料理やお菓子作りが子供の頃から好きでした。母や祖母はレシピなどを見ることなく、いつも料理やお菓子を作っていたのですが、それでもちゃんと美味しいモノをいつも食卓に出していたので、今思えば「あの2人はすごかったんだ…」と、つくづく実感させられます。もっと、いろんな料理やお菓子の作り方を、2人から学んでおけばよかったと、今は少しだけ後悔する時もあり、懐かしくも思えます。

そんなこんなで、好きが高じて、数年前、私は以前から自分の夢でもあった飲食店をオープンさせました。まっ、世の中で言う“カフェ”というジャンルのお店です。カフェなのでお店のメニューにはスイーツがあり、もちろんそれは自分で手作りしたものをお出しすることになります。とりあえず定番中の定番で、自分が作りなれているケーキを何種類かメニューに加えることにしました。

しかし、大人気のカフェになれば、手作りしたケーキもすぐに完売…となるのでしょうが、そこが商売をする難しいところで、いきなり毎日お客さんが行列を作ってくれる人気店になれるワケではなく、現実はキビイ…。なので、残ったケーキなどは、自分たちで食べきれない場合、あとは破棄するしかありません。すっごくもったいないのですが。

そんな事情を抱えつつ、いろいろと悩み多き日々を送っていると、ついついお店で出すケーキは、ロスを考えて、賞味期限が多少長くできる、焼き菓子系のケーキになってしまいました。それでも、ケーキそのもののクオリティーを上げていけばいい…と考え、日々、よりおいしいケーキのレシピを開発していたのですが、またもや新たな悩みが…。

ケーキの種類が少ない。

いくら美味しいケーキを作ったとしても、やはりお客さん的には、食べれるケーキの種類が多い方が、より選択肢も増えて、お店に来るのも楽しくなりますよね。でも、それほど手が込んでいなくて、少し日持ちもして、お店で出してもいい感じ…で、私ぐらいの知識と技術レベルの人が作れるケーキとはどんなの?…と、考えていました。そんな時、ちょっとしたアドバイスをくれたのが、知り合いのフレンチのシェフでした。

「シフォンケーキ」を作ってみたら。

シェフ曰く、シフォンケーキは簡単で冷凍もできるし、何より大抵の人が好きなケーキだよ…とのコト。

そうか!シフォンケーキか!それならイケそうだ!

と、鼻息も荒く、早速試作に取り掛かったのですが、コレが難しい…。

おい!誰だよ、簡単だなんて言ったのは!

試作は失敗に継ぐ失敗。

本やネットでいろんなレシピを見て、自分で試行錯誤してみたのですが、どうもイメージ通りのシフォンが焼けません。

というか、まともに焼き上がらないモノも多く、到底お店で出せるようなモノはできません。どうにか焼き上がったシフォンでも、膨らみが足りなかったり、上がくぼんでいたり、中に空洞があったりと、痛い出来上がりのモノばかり…。

私のシフォン作りの情熱も、次第にしぼんでいきました。

そんな時に、またアドバイスをくれたのが、フレンチのシェフでした。私をシフォンケーキという泥船に乗船させるきっかけをくれたシェフだったのですが、今度はちゃんと助け船を出してくれたんです。

私が上手くシフォンを作れないと相談したところ、私のシフォン作りの工程を聞きながら、丁寧にアドバイをくれました。

私はそんなシェフの優しいアドバイスをたっぷりと受け、翌日に早速、材料の分量や作り方をまた考え直し、試作を…。

そしたら、なんと一発で、シフォンケーキがかなりいい感じに焼き上がったのです!

すごい!

へこんでないし、空洞もないし、ちゃんとふくらんでるぅ!

思わず泣きそうになりました。

本当に心底嬉しかったのか、携帯電話を手に取り、この嬉しさを誰かに伝えたくて、私は無意識に亡くなった母に電話をかけようとしていました。

いやいや…。

それほど私にとっては嬉しい出来事だったのです。

ありがとう!シェフ!

そして、その数日後、ようやくお店のケーキメニューに、シフォンケーキが加わることとなりました。ケーキでは久々の新メニューでしたので、思いのほか、お客さんからもそれなりに好評をいただけたので、苦労をしたかいがあったと思いつつ、次なるシフォンケーキのバリエーションを考えておりました。

そんなある日、またもや私を悩ます出来事が起きたのです。

それは、“ふっわふっわ”のシフォンケーキとの出会い。

私が作るシフォンケーキは、しっかり系のふわふわシフォンで、どちらかというと、スポンジケーキとかカステラ(?)に近い類。その分、食べごたえがあり、それがいい!…とお客さんが言ってくれてたのですが、やはり、ケーキ屋さんで売っているようなシフォンとは、ちょっと違う感じに思えていました、自分でも。

そんな時に出会ったのが、持った瞬間にその“ふっわふっわ”感が伝わってくるような、“ふっわふっわ”のシフォンケーキでした。

何コレ?口の中で、シュワシュワと溶けてく感じなんですけどぉ…。

私の作るシフォンとは違って、断面はキメの細かく、本体はフルフルとゆれる程度の柔らかさ。

おいおい。これをシフォンケーキというのなら、私が作ったシフォンケーキは、別物ではないか!

と、自分自身で思ってしまうほど、このシフォンケーキは“ふっわふっわ”でした。

というコトで、ここからまた私の新たなシフォンケーキ作りへの挑戦が始まるワケなのですが、次回は一先ず、私が作っているシフォンケーキのレシピを、ご家庭用にアレンジして書いてみたいと思います。

シフォンケーキ作りでお困りの方は、私のレシピで挑戦してみてください。

では、また近々!

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