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うつ病と双極性障害の違い


季節の変わり目は気温や気圧などの変化が大きく、それにより私たちの身体や心が影響を受けることがある。女性は特に、頭痛や気分の落ち込みといった一過性の体調不良を感じた経験のある人も多いと思う。

僕は女性と同じか、それ以上に影響を受けやすいのだと医師に言われたことがある。低気圧では偏頭痛が発症し、石原良純さんよりも高い確率で降雨を予測することもできる。季節の変わり目はうつっぽくなったりもする。

たまに「しんどいなー・身体が重いなー」というレベルではなく、身体が全く動かずベッドから起き上がることすらできなくなることがある。食事も喉を通らず、トイレには匍匐前進でようやく辿り着く。うつを解消しようと日光を浴びたり、薬を飲むことすらできない。仕事なんてもってのほか。

これは一体何なのか?
一般的に言われる「うつっぽい」といわれる症状より明らかに重症だ。検査の結果、僕は双極性障害と診断された。

双極性障害の患者はうつ病の患者と比べて、前頭葉の一部である背外側前頭前皮質と、前帯状皮質という2つの部位の体積が小さいらしい。うつ病だと思って検査したら双極性障害だった、なんてことも今後は増えていくのだろう。

双極性障害のうつとうつ病の症状はとてもよく似ている。しかし、脳の仕組みや治療法は全く違うため、しっかりと判別することが重要だ。うつ状態の双極性障害患者にうつ病の治療薬である抗うつ薬を服用すると、気分高揚や興奮といった躁状態を引き起こし、病状を悪化させてしまう危険性がある。

マヤさんも双極性障害だと思われる。定期的なうつに加えて、躁状態の「自分は偉い」という万能感。上機嫌でおしゃべり。さまざまな考えが次々に湧いて、じっとしていられなくなる。高圧的な態度。到底できそうにない無謀な計画を実行に移そうとする。後先を考えず快楽的な行動に熱中し、異常な浪費や各種の逸脱行為。

周囲から見ると「異常である」ことは明らかだが、本人に自覚はなく、自分の思考や行動を正当であると思い込んでいる場合がほとんど。病気であるという意識がないため、自分から病院へ行こうとすることはまずあり得ない。

うつ病だけなら薬や対処療法でなんとかなる。双極性障害で気を付けなければならないのは躁状態の方であり、本人に病識がないとトラブルばかり起こして、終いには人生を崩壊させる。マヤさんの現状を見れば、その恐ろしさが理解できることだろう。

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