見出し画像

ep33.マコトを選んだ理由


ここに1枚の新聞記事がある。
笑顔で結婚発表する麻奈が一面を飾っている。その下に蟹蔵が写っているのだが、麻奈の結婚について質問したマスコミを完全にスルーした、という内容の記事。

不機嫌そうに報道陣も集まったファンもスルーしたのは、気さくにマスコミ対応する蟹蔵らしからぬ態度。亡き妻の姉が結婚したというのに、祝辞の一つもないのは違和感がある。

麻奈が結婚発表したのは、蟹蔵の歌舞伎公演の真っ最中だった。蟹蔵は公演中に無関係な質問をされることを極端に嫌う。マスコミ向けに「おめでとう」の一言も言えないくらい激怒していたということだ。

蟹蔵は公演中に無関係な質問をされるのを嫌うことは麻奈も知ってはいたが、蟹蔵の公演終了を待ってはいられなかった。マスコミに大麻の件を嗅ぎつけられる前に、どうしても結婚発表する必要があった。

麻奈の立場からすれば背に腹は替えられないというより、「蟹蔵の公演中なら、より注目度が上がってちょうど良いじゃない♡」くらいに考えていたことだろう。

後に蟹蔵はマコトに「なんなんだよ、お前は何も分かってないな」と苦情のメールを送っている。麻奈には気を遣って言えない蟹蔵は、マコトに苛立ちをぶつけるしかなかった。その後、夫婦は蟹蔵に詫びを入れている。まぁ、この件に関してはどっちもどっちといったところか。

マコトと出会った麻奈は結婚する前、すでに蟹蔵にマコトの施術を受けてもらっている。麻奈にしてみれば、あわよくば専属で雇ってもらえるかの面接の意味合いもあった。マコトはいつもの手かざし療法のイカサマ施術を施すが、蟹蔵は騙されなかった。

役者は身体が資本であり、蟹蔵は普段から人一倍メンテナンスに気を遣っている。専属マッサージ師がいるような蟹蔵を騙せるほど、マコトのペテンはレベルは高くない。

しかし、他でもない麻奈の紹介だから無下にはできない。蟹蔵は大人としてマコトにお世辞を述べ、麻奈に「いやー調子良いですよ」などとお礼の連絡を入れる。本音と建前を理解できるほど、麻奈とマコトは賢くない。

麻奈は蟹蔵のお世辞を真に受け、「いけそう♡」などと手応えを掴んだつもりでいたのだろう。マコトを使って蟹蔵家に出入りできる。施術料をふんだくり、今まで通り姪甥と交流もできる。

ここから先は

1,051字
月1000円。毎日12:00更新。 弱者から搾取する元女子アナの活動を撲滅する記録。

ポンズケースケの考察日記

¥1,000 / 月 初月無料

毎日12:00更新。1000円/月。 霊感商法をしている夫婦について主に書いています。

記事の投稿はある人物との裁判費用のためでもあります。サポートして頂ければ幸いです。