誰かにとっての「普通」を変えるには


日本支社のリーダー(全員外国人)としては日本人社員の非海外志向(外資なのに)と普通の道から外れたことをしたくないという気持ちの強さが理解できないし、そのリミットを越えてほしいと思っている。経済成長がなく、人口が緩やかに減少を続ける日本でビジネスを伸ばすために、今までと何か違う方法で、違う目線で、違うことにチャレンジしていかないとグローバルで生き残れないという危機感からである。今回、そのヒントになるような話をしてほしいといわれた。

こちらのブログ*でいう日本にいる「平均グループで平和に生きている大多数の人」にとって、わざわざ平均から抜け出すメリットがないのはとてもわかる。私自身も去年海外赴任しただけで、基本的には平均グループで平和に生きているのだけど、何か提言できるとしたら何だろうと考えてみた。
*日米の多様性
http://yokichi.com/2010/05/post-265.html

なぜ海外赴任してみようと思ったのだろう?と振り返ると、周りに海外赴任している人が増えたからだと気付いた。ここ数年、海外オフィスの人が同じチームに来て働く機会がとても増えた。マネジメントレベルだけでなく、スタッフレベルも同じチームに増えて自然と影響されるようになった。日本から海外オフィスに行く人は少なくて「普通じゃない」人たちが行くのだと思っていたけど、海外オフィスから来る人はかなり多くて、仲良くなって身近で私の中でそれが普通になっていった。よく自分は自分の周りの5人の平均というけれど、まさにそれが当てはまったことになる。

またブログに戻ると、日本では平均グループが厚いのでそこから外れた人は「あの人は普通じゃないから・・・」と見られる。でもアメリカのように平均グループが小さいと、「普通」はない。ということはオフィスに平均グループではない人を増やせば、影響されるのではないだろうか?オフィスに外国人は多いけど「外国人だから・・・」「だってマネジメントだから・・・」だから平均グループの私には関係ない、と見てしまいがちである。平均グループで平和に生きていきたい人を無理やり変えるのはできないけど、普通じゃない人を増やす、普通じゃない人と接する機会を作ることで、影響を与えることはできるのではないか。自分から変わりたいと思っている人には受け身すぎる話だけど、特に変わりたいと思っていない社員に影響を与えるための一歩としてこんな方法があるのではないかという。