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妊婦健診のエコー医師は何みてる?


普段、直接見られない赤ちゃんの様子を見られるので、皆楽しみにしている妊婦健診のエコー!
医師が「顔はここですよー!手を振ってますね。ここが手で、ここが足。おしゃぶりしてますね。」等教えてくれ、その様子を見るのが1番の楽しみですよね!!

しかし実はこれ、完全にお母さん、お父さんへのサービスなんです。
振り返ってみると、医師は最初黙って黙々とエコーを操作していませんか?もしくは、ここが頭ね〜と言いながらも、画面に釘付けでせっせと線を引いていませんか?医師は最初に必要なエコー所見を確認し、診断に必要な数値の測定を行っています。それが終わると、サービスタイムとして赤ちゃんの説明をしてくれたり、顔や手がわかりやすく写っている写真を印刷してくれています。

じゃあ、医師はいったいエコーで何をみているでしょうか。

まず妊娠初期は、赤ちゃんの胎嚢と、心拍、着床場所を確認して、妊娠判断をしています。
そして赤ちゃんの大きさから、出産予定日を割り出します。
また、子宮が小さいうちに、母体の子宮や卵巣に疾患や変形等が隠れていないかを確認したり、赤ちゃんの袋(胎嚢)の数を確認して、多胎ではないかを見ます。
妊娠8週目以降は赤ちゃんの頭・体・手足がわかるようになってきます。
そうすると、医師は、赤ちゃんの向き、大きさ・羊水量、胎動の有無、胎盤の位置、子宮経管や子宮口を確認し、赤ちゃんが元気か、発育が基準内か、前置胎盤や切迫早産リスクがないかを確認するようになります。

ちなみに、赤ちゃんの大きさは、
妊娠初期であれば、赤ちゃんの頭からお尻までの長さ(頭殿長)や頭の横幅(児頭大横径)を計測して評価します。
18週をすぎると、赤ちゃんの頭の横幅、お腹周りの大きさ、太ももの骨の長さの3点から推定体重を計算し評価します。
エコーのときに医師がせっせと線を引いているのは、この長さを計測するためです。
この計測は出産前検診まで続いていきます。

ただ、この計測あくまで推定体重なので誤差はあります。
私も出産4日前の検診で2700gと言われていましたが、実際生まれたら3450gで、700gも誤差ありました。笑

そして、妊娠中期(27週くらい)になると、いつものエコー検査とは別に、精密エコー検査(スクリーニング)があります。
ここでは、赤ちゃんの先天的な形態異常を確認します。
具体的には、脳や心臓や肺などの臓器や血流から、手足の指の本数など、頭のてっぺんから足先まで全て確認します。
ここで異常を確認しておくと、出産した直後に手術などの処置が必要なのか、NICU等の設備がある病院での管理ができる出産に変更するのか、通常の分娩で問題ないのか判断され、病院も赤ちゃんが無事に生まれるための準備を整えることができます。

このように医師は妊娠週数にあわせて、必要な評価を行っているため、赤ちゃんがこっちを向いて笑っていようが、手を振っていようが、正直それよりも見たい場所があります。
なので、エコーにかじりついて、せっせと計測する時もあります。

とはいえ、パパママがエコーを楽しみにしている事は医師もわかっています。時間の許す限り、赤ちゃんの様子を説明し、顔や手がきれいに写る方向や角度を調整し、シャッターチャンスを狙います。
ただし、ただでさえ感染リスクも高く、体も疲れやすい待合室の他の妊婦さんも待たせたくはありません。そうなると混雑状況によっては、エコーの説明時間が短くなる事もあります。

とっても楽しみな妊婦健診のエコーですが、「今日説明短かったなー。エコー写真少ないな」と思う時もあると思います。
そんな時は、「あ、今頭からお尻までの距離はかってるな」等、医師が何を見ているのかの視点で楽しんでみてください。

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