見出し画像

ライブハウス初級者が贈る 5 つの心得

年末だろうがなんだろうが私の日常には関係ない! などと強がってみるものの、なんだかんだ大掃除をしたり、今年を振り返ったりしてしまう今日この頃です。

2023 年は、ライブハウスに行くことの多い 1 年でした。私が初めてライブハウスに行ったのは去年の 10 月。慣れっことは言いませんが、余裕を持って楽しめるくらいにはなったなと感じています。

つまり、もう慣れたけどライブハウス初心者の人の気持ちもよくわかるぞ、という状態。そんな私が、知らないとびっくりするライブハウスのマナーや文化をまとめてみようと思います。興味はあるけど行く勇気が出ないなあという人に読んでもらえたら嬉しいです。

会場の場所は調べておこう

大きな会場でのライブの場合、道案内が比較的充実している。
駅の出口案内に書かれていたり、最寄駅からスタッフさんが立ってくださっていたり。あとは、それっぽい人たちについていけば会場にたどり着けることも多々ある。


しかし、小さなライブハウスではそんなものはない。ライブハウスのホームページやマップを見て、自力で会場に辿り着く必要がある。

立地もさまざまなので、マップを見ながら歩いていくと急な坂や路地が現れ、「ほんとにこの先にライブハウスがあるんですか?」と思うこともしばしば。


無事にたどり着き、ライブハウスの看板(だいたい小さめなので見落とし注意)を発見すると一安心。さらに人だかりができていたりすると「よかった、もう大丈夫だ」と思いたくなるが、ここでもう一つ注意!

近くに他のライブハウスがある会場だと、同じ日に別のライブが開催されていることがある。そんなときに起こりやすいのが、違う方の待機列に並んでしまうというミス。

特に渋谷の道玄坂でのライブハウスだと、間違えている人を毎回 2 人は見かける気がする。スタッフさんの指示をよく聞き、周りのお客さんをよく見て、待機場所が合っているかをしっかり確認しよう。

電子チケットの操作方法を知っておこう

どんどん導入が増えている電子チケット。スマホを見せれば会場に入れるので、紙のチケットを忘れる心配がない安心のシステムなのだが、操作には意外と慣れが必要である。

本当は事前に練習しておければ良いのだが、うっかり使用済みになってしまうと一貫の終わりなので、ここでざっとシミュレーションをしておく。システムによって違いはあるが、流れは大体こんな感じ。


まず、会場に行く前にやること。電子チケットの受け取り・ダウンロードを済ませておこう。会場でもできる作業ではあるが、電波が繋がりづらい場合もあるので、できれば事前に。

そして会場に着き、開場時間になると、スタッフさんが会場内や待機列への誘導をしてくれる。ここで初めて、スタッフさんに電子チケットの画面を見せる。ここで見せるのは、公演名と整理番号や席番号がわかる画面であれば 大丈夫(「入場画面」の一歩手前の画面で OK)。心配な人は、この画面をすぐ出せるようにちょっと練習をしておこう。

いざ会場に入るタイミングになると、今度はスタッフさんが入場手続きをしてくれる。このときは「入場画面」を見せよう。うっかり自分で使用済みにすることだけはないように!


ここまでできたら入場完了。あとはライブを楽しむだけ! 色々書いたが、スタッフさんも対応には慣れていると思うので、あまりビビらず焦らずで大丈夫。

ドリンク代という概念

ホリエアツシさんの声で脳内再生されそうな見出しだが、これ大事。

ライブのチケットをよく見ると「ドリンク代が別途必要」などと記載されていることがある。

ライブハウスでのライブの多くはワンドリンク制
少し調べれば情報が出てくると思うが、実はライブハウスは「飲食店」。ライブハウスの経営を成り立たせるために必要な仕組みな。


ドリンク代について大事なのが、現金を持っていくということ。

このドリンク代、相場は 600 円くらい(※ 執筆時時点)。たいていは入場時に支払い、ドリンクチケットを受け取る感じになっている。

そして多くの場合、現金での支払いである。たまに交通系 IC カードが使える会場もあるが、入場受付はスムーズに行う必要があるので、手続きの多い決済方法は基本的に導入されないんじゃないかなと思う。

現金を持っていないせいで会場に入ることすらできないなんてことが起こると、めちゃめちゃ悲しい。なので、ドリンク代用の現金を忘れずに持っていきましょう。
私は 500 円玉 1 枚 + 100 円玉 1 枚、ぴったり用意できなければ 1000 円札 1 枚 + 100 円玉 1 枚を用意するようにしている。わからないけど計算が楽な出し方にした方がスタッフさんに優しい気がする。


ちなみに、「ワンドリンク制」と聞くと身構えてしまう人もいるかもしれないが、ノンアルコールのものも用意されているのでご安心を。私自身も毎回ソフトドリンクを頼んでいる。水やお茶だとペットボトルに入った状態でもらうことも多いかな。


さらにちなみに、ドリンクチケットを引き換えた後も追加のドリンクやフードを頼むことが可能である。
追加注文をするとライブハウスの収益の助けにもなる。私は開演前にワンドリンク頼んで帰ってしまいがちなので、今度行くときは追加注文をしてみようかな。


ドリンク代という制度への賛否両論はあると思うが、個人的には、制度が残る限りは、ライブができる機会と場所を用意してくれてありがとうという気持ちで払い続けたいなと思っている。コロナ禍で打撃を受けたライブハウスも多いと聞くし、1 人 600 円じゃ回収できないよってくらいのところもありそうな気がする。

対バンでの「お目当ては?」

対バンライブだと、入場の際に「お目当てはどちらですか?」と聞かれることがある。

これはどうやら、どちらのバンドでお客さんが来たのかを確認し、ノルマをカウントするための質問らしい。「両方です」といった回答はカウントに入れない場合もあるのだとか。

なので、この質問を受けたら、一組だけ選んで答えるようにしよう。「どっちも好きなのに……どっちか選べだなんて……」と苛まれるのも優しさだが、忙しいスタッフさんに負担をかけない回答をするのもまた優しさである。


と言いつつ、私はこの質問がいまだに苦手である。「もともと A のファンだったけど、対バンを知ってから B のことも好きになって、今日は B を見られるのが結構楽しみです」みたいな場合はどっちがお目当てだ? みたいな余計なことを考えてしまう。こういうときは、主催のバンドがいれば主催の方を答えたり、脳内コイントスでどっちを答えるかを決めたりして乗り切っている。

音すごい

音の感じ方は人それぞれだろうし(書いている私自身はおそらく敏感な方である)、会場やそのライブでの音づくりにもよるとは思うが、まあ音が大きい。アリーナやドームといった会場でライブを見たことがある人も、それ以上の音圧を感じると思う。

そこで心配なのが、耳への影響である。
音響外傷といって、大きな音を聞き続けると、耳鳴りや聞こえづらさといった症状が起こることがある。特にスピーカーやアンプの近くに立つと起こりやすい。一時的なものであれば良いのだが、症状が長引き、聴覚に影響が残ってしまう可能性もゼロではない。

また、そうでなくても、「音楽は好きだけど大きな音は苦手なんだよね」という人、いませんか? 救急車のサイレンの音とか、YouTube の CM の音にビクゥッッってなっちゃう人。私もそのタイプである。割とすぐ慣れるとは思うのだが、もし「楽しいけどちょっとビビっちゃう」みたいな時間が 2 時間続くと悲しいだろうなと思う。

そこで全力でおすすめしたいアイテムが、ライブ用耳栓である。

「音の迫力もライブの魅力なのに、楽しさが半減するんじゃない?」「耳栓なんてしたら、ミュージシャンやスタッフの方に失礼じゃない?」と懸念する人もいるだろう。が、この 2 点については「心配ないよ!」とお伝えしたい。

ライブ用耳栓はただ音をシャットアウトするのではなく、音質を落とさずに、耳に届く音量を和らげてくれる。私自身、ALPINE の  PartyPlug というライブ用耳栓を愛用しているが、音を丸くしてくれるというか、キーンと響く高音域をいい感じに削ってくれている感じがする。音の振動はしっかり体に伝わってくるし、変わらずライブを楽しめていると思う。もちろん、終わった後に耳が詰まるということもなくなった。

また、耳栓をグッズとして売り出しているミュージシャンもおり、「ライブを楽しむために耳を守ろう!」という動きは広まっていると思う。実際、耳栓を持ってきているお客さんは毎回そこそこ見かける。

なのでよかったら、当日までにライブ用の耳栓を買って参加してみてほしい。ライブ用耳栓にもピンキリあるし、そのライブを生で見られるのは一度きりなので、あまりケチらず気に入ったものを買おう。MC のときだけ耳栓を外したいという場合もあるので、ケース付きで、付け外しがしやすいものが個人的にはおすすめ。

ちなみに私は、ライブ用耳栓を映画館でも活用している。普通のシーンでも音が大きいなと感じることが多く、派手な場面に突入しようものなら大抵ビクゥッッとなっていたのだが、あまり気にならなくなった。映画館の音の大きさにビビっちゃうような人は、とりあえず持っていて損はないんじゃないだろうか。

おわりに

注意事項的なことを色々と並べましたが、最後にお伝えしたいのは「ライブハウスは楽しいよ!」ということ。

普段は好きな音楽を共有できる友達がいなくても、ライブハウスに行けば、同じ音楽に惹かれた似た者同士が集まります。「応援している人が自分以外にもこんなにいるんだ」と感じられるだけでもライブに行く価値はありますし、「好きな音楽」という共通点を持つ人たちだからこそつくり出せる雰囲気や景色、思い出があると思います。

ちょっと勇気を出して、ぜひライブハウスに行ってみてください。今これを読んでいるあなたとライブハウスで会えるのを楽しみにしています!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?