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無理と可能性

弦楽アンサンブルの曲を、とにかく終わりまで演ってみた。

華やかな音は鳴るが、ソロ的な演奏は無理。

クラシックな弦楽アンサンブルは、合奏の音と、ソロの音が、渾然としていて、あるときは合奏の音が鳴り、ある時はソロの音が鳴る。

楽譜を見て、音を出してみると、どんな音を鳴らせばよいか、すぐにわかるものだ。

で、買った音源は、ソロの音は鳴らせない。

なんとか、それっぽく鳴るようには調整してみたけれど、所詮無理というものだ。

では、これは、お蔵入りで、使えないか、ということになる。

プロは「なんとかする」のだ。

派手な活躍をして、大金を稼ぐのがプロではない。

ベロを出して「なんとかする」のがプロなのだ。

僕は、プロのそういうところが嫌いなので、自分ができるかぎりクオリティを上げることができる、いわゆるアマチュア芸術家的な感覚でいたいと思っているのだけれど、今回ばかりは、そうも言っていられない。

なんと言っても、お金がないのだ。

無い袖は振れない。

では、諦めるか。

諦める前に、もうすこしやってみたい。

もう少しやるには、「なんとかする」しかない。

というわけで、ずいぶん久しぶりに、「なんとかする」をしている。

で、なんとかした。

で、これはこれで、鳴らせば、普通の人は「きれいー」とか言ってもらえるだろうと思う。

で、専門家と僕は「なんだ、ダメダメじゃん」と見る。

いや、聴く。

でも、世の中って、そういうもの。

芸術的に満足できるレベルものって、普通の人は、見向きもしない。

世の中って、そういうもの。

世の中の可能性って、僕が感じる無理とはぜんぜん違う次元にある。


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