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夢の中へ(2)

夢の中へ(2)

小学6年生のときに、家族の前で「僕はマンガ家になる」と宣言した。金を稼ぐ、ではなく、みんなに夢を、と思った。

高校を出る頃には、アニメーション映画を、と思った。

大学2年生の頃には、コンピュータでオーケストラ音楽を演奏して、CGでアニメーションを、と思った。

その後、僕の手の中では、個人レベルの小さなことは、いずれも実現した。

現在進行形でもある。

世界レベルでは、いずれも実現している。

では、僕は、その世界レベルの中に入って、アーティストたちの一員として、そういうことをやりたいか、というと、やりたくない。

次々に産み出される作品の、クオリティの壊滅的な低さに、常に幻滅している。

自分ひとりで作ろう、と思って、取り掛かってはみるものの、その壊滅的な制作ペースの遅さに幻滅する。

生活のためのお金を稼ぐ仕事をしなければいけないし、そうすれば疲れるし、いろんなことの些事にも手間と時間を割かなければいけない。

古今東西の、多くの作曲家たちもそうだった。

天才モーツァルトだって、書いた曲が売れなくて、演奏をしたり、教師をしたりして、生計を立てなければいけなかった。


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