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鬼が笑っている

来年のことを、時折、考える。

鬼が笑う、とか言うが、それは今を大事にしなさい、という戒め。

来年のことは大事。

この時期になって、来年は、この土地を出ることになるような気がしている。

気がする。

そういうエネルギーを感じる。

今年の秋の紅葉の風景を見て、寂しさや悲しさを感じたのは、別れることになることを、魂は知っていたからかもしれない。

もちろん、離れないかもしれない。

可能性は、いつだって両方あるし、もっと多くの未来に枝分かれしている。

これまでに、多くの鑑定を受けてきたが、僕の才能は、都会で発揮される、というものばかりだった。

霊能者、チャネラー、陰陽五行、その他いろんな形態で発現しているスピリチュアルな才能は、どれも、そう言っていた。

僕自身もそう感じている。

この田舎に入ると、途端に、いろんな感覚が鈍ってしまうことを感じていた。

実に幸せなところなのだ。

優しさに包まれる場所。

それがこの田舎。

今度は、僕が、誰かに優しさをもたらす番だ。

子供の頃から、自然と発揮していたが、高校を卒業する頃からずっと封印していたリーダーの才能を、いよいよ発揮するときが近づいている。

そんな気もしている。

凡人の能力だ。

高が知れている。

小さな力だ。

しかし、僕の人生においては、僕の全てだ。

長い間、いろんなことを勉強した。

若い頃にリーダーシップを発揮して引き起こした失敗は、もう繰り返すまい。

来年は天中殺。

新しく始めたことは無に帰すとされている。

いや、無に帰せばいいよ。

もうすぐ死ぬんだ。


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