18)読書は好きですか

「読書は好きですか」と聞かれると、いつも答えに詰まる。

文字を読むのは嫌いじゃない。でもそれが本でなければならないのかといえばそうでもない。チラシでも、吊り広告でも、ネット上の記事でも、気になれば何でも読む。好き、というよりは、つい読んでしまう。本に限らない。

小説、物語を読むか、という意味なら、これまた、それほど読まない。
おもしろいと感情移入が過ぎて日常生活に支障を来たす。それほどでもなくて何の問題も起こらないものは、つまらない。小説にどっぷり浸かるのは覚悟がいる。だからなかなか読めない。

本をすみずみまで読むか、ということなら、かなりのところそうでもない。最初から最後まで、読み切る本は多くない。書店でぱらぱら眺めて良さそうと思って買ってそのまま、とか、気になる箇所だけをめくってあとはまたそのうち、とか、ざらにある話。

おすすめの本は、というのも難しい。誰に?どういう関係性で勧めるの?どこまで前提を共有しているの?もしつまらないと言われても大丈夫な相手なの?相手も本も、よく知っていてマッチングできる場合でなければ、軽々しくおすすめはできない。

しかしまあ、「読書は嫌いです」と断言するなら、こうやって読書が好きなのかどうかを検証しないだろう。そういう意味では、逆説的に読書が好きということになるかもしれない。

2019/07/21

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